医療機器から自動車まで、幅広い分野で使われる三次元MID。「センインテクノロジーズ」代表が明かす創業ストーリーと新たな価値づくりとは
2025年4月8日(火)10時0分 PR TIMES STORY
はじめまして、センインテクノロジーズの川崎と申します。
私は長年大手電機メーカの半導体部門で営業・マーケティングに従事してきました。
アメリカのカリフォルニア州サンノゼ(通称シリコンバレー)にも出向した経験があります。当時アメリカは9.11のテロが起き、東部は寒波による大停電でブラックアウトの言葉を初めて耳にした時でもありました。シリコンバレーは進取の精神に溢れた起業家達が失敗しても何度でも挑戦できる活気のある地域です。会社に帰属している私にとってそのような自由闊達な起業家達から大いに刺激を受けました。
垂直統合型の日本の半導体業界は水平分業型ビジネスモデルの台頭で閉塞感があった頃でもあります。水平分業型とはアメリカの半導体会社は設計に専念し、製造は台湾などのアジアに任せるといったビジネスモデルのことです。一方日本の半導体会社は設計・製造まで一環して同じ会社で行うことで毎年膨大な設備投資を必要とします。
半導体ビジネスモデルが大きく変わろうとしていた時代でもあったのです。
本ストーリーでは、センインテクノロジーズを設立した背景を振り返りながら、弊社製品の特徴や強み、今後の展望についてお話いたします。
射出成形品に立体配線を施す三次元MID事業の会社としてスピンオフしたセンインテクノロジーズ
帰国後私は暫くして半導体商社を経由して京都のある会社に転職しました。
その会社は部品実装が生業で新たな事業のひとつとして三次元実装を展開しようとしており、私はその責任者となりました。三次元実装の潜在的ニーズを引き出すには三次元配線を提案できる必要があると思い、外部から人材を募り、三次元MID(Mechatronic Integrated Device)事業を正式に立ち上げました。
三次元MIDとは射出成形品に立体配線を施した製品です。幸い幾つかの国内大手顧客との新規取引も開始することができました。ところが2021年6月に会社の方針変更があり、事業が継続できなくなったため、スピンオフを決断しました。当時コロナに罹患してしまいホテルに隔離状態のなかで設立準備を行い、何とか2021年10月にセンインテクノロジーズを設立しました。

三次元MID技術で作られたヘリコプター模型
狭い空間に基盤を組み込める三次元MID製品で新たな設計手法が実現
センインテクノロジーズは工場を持たない製造業ですが三次元MID製品の設計・製造・販売をワンストップで提供しております。例えば、医療機器、自動車、センサーなど幅広い分野に応用可能な部品を提供しており、顧客のニーズに合わせたカスタム製品の開発も行えることが特徴です。現在製造は幾つかの国内企業に委託しています。
過去から今日まで製品の設計思想は基板に配線を施してその上に電子部品などを実装してパソコンやスマートフォンを作っています。あらゆる電子機器は立体ですが設計は二次元設計を工夫して立体的に機構部品を組み立てたりしています。その設計手法ですと人が身に付ける補聴器やVRゴーグル端末、スマートウォッチのようなウエアラブルデバイスでは狭い空間に平面の基板とフレキ基板を工夫して組み込む必要があります。
そういった設計の課題にお応えしたい、新たな設計手法で日本の製造業を少しでも変えたいという思いがあります。日本の半導体業界の凋落を目の当たりにしても精密な寸法技術、高い品質などビジネスモデルを工夫して日本として垂直統合を図ればまだまだ製造業が元気になれるはずと考えています。
安定して高い需要のある三次元MID市場。設計製造会社が市場を広げれば更なる成長が期待できる
三次元MIDは現在スマートフォンのアンテナを中心に使われていますが、今後14.2%の年平均成長率が期待され2032年の市場規模は8,000億円近くに達すると予想されています。(Ankit Gupta調べ)
出所:FUNDINNO公募ページより
ですが市場調査は現在見えている市場からの予測値でしかありません。
弊社をはじめとする三次元MID製品を展開する会社が市場創造すればさらに大きく成長できるのではないかと考えています。
例えば内視鏡があります。内視鏡で医者は画像データを自らの知見で判断して異常がないか診察します。見落としや誤診を避けるためには内視鏡先端の光源をもっと明るくしたり、AIなど多機能な内視鏡を導入したいと思っています。一方、患者の立場としては麻酔があるにせよ内視鏡は小さければ小さいほど検査時の負担軽減につながります。
弊社の三次元MIDは内視鏡の先端や内部、側面に配線を施して部品を三次元実装すると小型化・軽量化を図ることができ、医者と患者双方の課題に同時に応えることができます。
設計図との寸法誤差が極めて少ないセンサ。AIの正確性を高めることが可能に
さらに先端の技術分野にも弊社の三次元MID製品を活用することができます。
例えばAIです。AIの進歩は著しくAIが人間の知能を凌駕する技術的特異点(シンギュラリティー)が早晩やってくるとも言われています。
弊社の三次元MID製品は設計図との寸法誤差が極めて少ない製品で、センサに弊社の製品と三次元実装技術を使えば高い精度で計測することができ、データの信頼性が増します。AIはあらゆるデータを瞬時に正しく判断する技術と同時に入力するデータもますます詳細かつ正確な取得が問われているのです。
医療から車載・民生まで。幅広い分野での価値づくり、社会貢献を目指していく
このように弊社の三次元MID製品は医療、産業のみならず車載、民生など幅広い分野でお使い頂けます。あらゆることがセンサで正確に測れて、しかも測れないリスクを低減したり、狭い空間設計に課題を抱えているお客さま、軽量化・小型化でお悩みのお客さまとの価値づくりを通じて社会に貢献してまいりたいと思っています。
引き続きセンインテクノロジーズをどうかよろしくお願い申し上げます。
<会社概要>
■センインテクノロジーズ株式会社
代表取締役社長:川﨑 篤志
本社所在地:東京都中央区日本橋本町3-11-5 日本橋ライフサイエンスビル2-501
事業内容:電機・電子機器製品および、これらに関連する部品・材料の開発・販売及び製造
【本件に関するお問合せ先】
センインテクノロジーズ株式会社 京都オフィス
電話:0774-66-5973
メールアドレス:miki.nakamura@senintech.com
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