電柱150万本の北海道、人力では全ての点検に2年近く…スマホゲームの撮影バトルで画像収集
2025年5月24日(土)22時9分 読売新聞
「ピクトレまちバトル」の流れ
スマートフォンで電柱の写真を撮って、撮って、撮りまくり、その数を競う。北海道電力グループの送配電会社「北海道電力ネットワーク」(札幌市)が7〜10月、そんな一風変わったイベントを開催する。参加者に街歩きを楽しんでもらいつつ、送られてきた画像を電柱の保守点検に活用するのが狙い。「アマゾン」のギフト券などに交換できる総額300万円相当の謝礼も用意しており、同社は「夏の北海道の散策を満喫しながら参加してほしい」と呼びかけている。
個人戦と団体戦
イベントは「ピクトレまちバトルin北海道2025夏」と銘打ち、7月12日〜10月12日に実施する。スマホに専用のゲームアプリをインストールし、表示される地図を見ながら電柱を探して撮影するという仕組みだ。個人戦とグループ対抗戦があり、撮影した電柱の本数やランキングに応じて「報酬コイン」を提供。グループ対抗戦を制したチームへの謝礼は100万円相当になる。
ゲーム性を取り入れる
道内には約150万本の電柱があり、同社では2人1組で車を走らせながら目視で状況を確認しているが、全ての点検を終えるまでには2年近くかかる。近年は道路の陥没を発見した住民に画像を送ってもらうことで保守・管理に役立てる自治体も増えており、同社はさらに「ゲーム性」を取り入れることで大勢の参加者を募りたい考えだ。茨城県内で開催中のイベントでは「ツルやツタが絡まった電柱にはボーナスポイントを付与」というアレンジもなされている。
街の魅力発見も
同様のイベントは昨年4月から関東や東北で開かれるようになり、実際に電柱の傾きが見つかったケースもあったという。北電ネットの担当者は「電柱の事故防止という社会貢献にもつながる取り組み。普段意識していない電柱に目を向けつつ街の魅力を発見する機会にしてもらえたらありがたい」と話している。