【大学野球】東農大北海道が春6連覇…渡辺恵多投手が10回1安打無失点…北口祥夢捕手が劇的サヨナラ打
2025年5月25日(日)7時20分 スポーツ報知
サヨナラ勝ちし、歓喜の輪をつくる東農大北海道の選手たち(カメラ・島山 知房)
◆道六大学野球春季リーグ最終節第1日 東農大北海道1−0函館大※延長11回(24日・とましん)
サヨナラ勝ちで春6連覇だ。無敗で首位を走る東農大北海道が、1敗で追う2位函館大との首位攻防戦を制し、2季ぶり38度目の優勝を果たした。主戦の渡辺恵多投手(4年=中越)が10回を1安打無失点に抑えると、11回に1番・北口祥夢捕手(4年=旭川実)が決勝打を放ち試合を決めた。21度目の出場となる全日本大学野球選手権(6月9〜15日・神宮、東京D=報知新聞社後援)では、1回戦で佛教大(京滋大学連盟)と対戦する。
エースの力投を支えてきた女房役が試合を決めた。延長11回2死二塁。9回の好機で凡退していた北口は「汚名返上ではないけど、首を切られる覚悟だった」と直球に食らいついた。捉えた打球は二遊間を抜け、二塁走者が生還。ホームベース上で歓喜の輪に加わり、「自分が決めたというよりもみんながつないで、渡辺がよく投げてくれて、勝ちにつながった」と破顔した。
息詰まる投手戦となった首位攻防戦。渡辺恵の投球が劇的な勝利を引き寄せた。勝てば優勝が決まる大一番でマウンドを託された背番号11は、優勝が懸かった昨秋の最終節函館大戦で2戦連続失点。チームも連敗し、リーグ連覇は「7」でストップしていた。
それから約8か月。早くも訪れた絶好のリベンジの舞台。「やり返す。この一戦を意識して冬を過ごしてきた」と、燃えないわけがなかった。最速146キロの直球にスライダーやカットボールなどをコーナーに投げ分け、8回2死まで無安打投球。延長10回115球をわずか1安打で圧倒した。
渡辺恵とともに全国舞台を経験し昨春最優秀投手賞を獲得している神宮僚介(4年=桐生第一)が、昨年7月に右肘を手術。長期離脱を余儀なくされた。投手陣の戦力ダウンは否めない。それでも、三垣勝巳監督はリハビリ中の右腕を主力のAチームの練習に入れ続け、後輩の育成を託した。技術指導はもちろん、公式戦登板の少ない投手に経験を伝えてもらい、若手がリーグ戦を通して成長。9戦2失点という数字を残し、頂点まで上り詰めた。
6大会連続で臨む選手権。直近2大会はともに大敗と苦戦を強いられており、「全力で戦ってどこまで通用するか。謙虚に戦っていきたい」と指揮官。たくましくなった投手陣とともに、一つずつ勝利を積み重ねていく。
(島山 知房)