米国の中小企業5社、相互関税の差し止め求め提訴…「貿易赤字は緊急事態に該当しない」
2025年4月15日(火)10時55分 読売新聞
ラトニック商務長官の隣で関税について説明するトランプ大統領(2日、ホワイトハウス)=ロイター
【ニューヨーク=小林泰裕】トランプ米大統領が発動した「相互関税」は違法だとして、米国の中小企業5社が14日、トランプ氏やラトニック商務長官らを相手取り、相互関税の差し止めを求めて米国際貿易裁判所に提訴した。
訴えたのは、ニューヨーク州などで酒類輸入や釣り具販売などを手がける5社。相互関税で原料や商品の仕入れ価格が上がって業績を圧迫すると主張し、関税発動によって生じた被害の賠償も求めている。
5社は、トランプ氏が相互関税発動の根拠とする国際緊急経済権限法(IEEPA)について「世界全体を対象とした一律の関税を大統領が一方的に課すことを許可していない」と指摘し、越権行為だとの見方を示した。同法は米国が「緊急事態」にある場合に輸出入の規制を大統領に認めているが「トランプ氏が主張する貿易赤字は緊急事態に該当しない」と批判した。
フロリダ州の文房具会社も3日、トランプ氏の対中関税の差し止めを求めて同州の連邦地裁に提訴している。