個別最適な学びの実現へ 鳥取大学附属小学校と共同実証研究 中間報告
2025年4月18日(金)12時16分 PR TIMES
AIを活用したアダプティブな対話式 ICT 教材の開発と提供を行う株式会社すららネット(本社:東京都千代田区、代表取締役:湯野川孝彦)は、鳥取大学附属小学校と共同で、2025年1月よりAI搭載型のアダプティブドリル教材「すららドリル」を活用した実証研究を実施しています。このたび、本実証研究の中間報告として、AIドリルを活用した学習支援が児童の学習意欲喚起に寄与していることが示唆される結果が得られました。
一人ひとりに合った復習ドリルで、学びの循環を生む実証フェーズ
本実証は、「学習データの利活用」と「個別最適な学びの実現」を目的に、小学3〜5年生を対象として実施しています。児童の学習履歴をもとに苦手やつまずきを特定し、AIドリルを用いて一人ひとりに応じた「おすすめ復習ドリル」を提案・配信することで、効果的な学習支援のモデル構築を目指しています。
第1フェーズでは、1月の課題提出や自学自習の学習ログをすららネットが分析し、児童個人のドリル正答率が低い順に5つのユニットを「おすすめ復習ドリル」として2月上旬に配信しました。さらに2月の学習ログも同様に分析を行い、3月上旬に「おすすめ復習ドリル」を個別に配信。取り組みはすべて児童の任意としながら、継続的な学習促進を図りました。
今回の中間報告では、2024年12月から2025年1月と2月から3月のそれぞれ2か月間ずつの学習データを比較・検証することで、AIによる提案型学習支援の効果を多面的に分析しています。今後はこの結果を踏まえ、改善策を取り入れた第2フェーズへと移行してまいります。
【すららネット×鳥取大学附属小学校 実証研究のスキーム(Phase1:2025年1〜3月)】
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学習意欲が低い児童にAIドリルが学びの第一歩を導く
中間報告では、学習への取り組み姿勢ごとに「おすすめ復習ドリル」として配信した5つのユニットに取り組んだユニット数を、達成率として分析しました。その結果、勉強でわからない問題があると手をつけずに終わる傾向のある児童たちが、「おすすめ復習ドリル」の達成率が最も多いことが明らかになりました(表1)。また、勉強で自分のつまずきがわからない児童は、「おすすめ復習ドリル」に積極的に取り組む傾向が見られました(表2)。これらの結果から、学習意欲が低い児童は勉強をやる気がないのではなく、AIドリルで自分の弱点に合わせた学習の道筋が示されることで、「やってみよう」という学習への一歩を踏み出しやすくなることが示唆されました。
さらに、復習への心理的ハードルを下げるためには、教員による声かけや寄り添った支援が効果的であることも明らかになりました。苦手な単元ばかりが提示されることへの抵抗感や、長期休暇後の学習への意欲低下といった課題も見られたことから、AIによる個別最適な学習提案に加えて、教員のサポートが学びを後押しするうえで欠かせない要素であることが確認されました。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/3287/552/3287-552-0cf9c5f345f90b86e30f54318ec24d95-707x781.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
AIドリルと先生の連携で、児童の一歩を後押しする学びへ
今回の中間報告を通じて、「すららドリル」が児童の学びの第一歩を後押しする手がかりとなり得ることが明らかになりました。今後は、「おすすめ復習ドリル」の配信を継続しながら、学習に対する心理的ハードルを下げる工夫と、教員による伴走支援の強化に取り組んでいきます。
第1フェーズでは、復習ドリルに対して「苦手な問題ばかり」といった印象を持つことで、児童が取り組みをためらうケースも見られました。一方で、教員の声かけやサポートが、子どものやる気を引き出す重要な役割を果たすことも確認されました。そこで今後は、ダッシュボード機能を活用し、「どの児童に、いつ、どんな声をかけるとよいか」が可視化されるような工夫や、具体的な声かけ例の提供など、教員が自然に伴走できる支援のあり方を整えていきます。
すららネットは、AIドリルと教員の伴走を組み合わせた学びの支援モデルを構築し、「学習データの利活用」と「個別最適な学びの実現」を目指します。そして実証結果をもとに、全国の教育現場への展開につなげてまいります。
■AI×アダプティブラーニング教材「すららドリル」
「すららドリル」は、公立小中学校向けのAIドリル教材で、児童生徒一人ひとりの理解度に応じたアダプティブな学習を提供します。AIによる「つまずき診断」や「出題難易度コントロール」により、国語・算数/数学・英語・理科・社会の5教科を、学年を越えて柔軟に学ぶことができます。教材はドリル、テスト、対話式レクチャーの3機能で構成され、「演習→確認→復習」のサイクルで無理なく学力の定着を図ります。また、テストの自動作問・採点、自動復習登録機能により、教員の負担も軽減します。
すららドリルは、多様な学習スタイルに応じた指導が可能で、児童生徒の主体的な学びと教員の指導の質向上を同時にサポートします。
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■株式会社すららネット
すららネットは、「教育に変革を、子どもたちに生きる力を。」を企業理念に掲げ、AIを活用したアダプティブな対話式ICT教材「すらら」「すららドリル」などを開発・提供しています。現在、国内の2,600校以上の学校や学習塾で導入され、約25万人の児童生徒が利用しています。全国の公立学校や有名私立学校、大手塾での活用が広がる一方、不登校や発達障がい、経済的困難な状況の子どもたちにも学習機会を届けることで、教育課題の解決に取り組んでいます。2017年には、代表的な EdTech スタートアップ企業として東証マザーズ市場(現東証グロース市場)に上場しました。
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