日本調剤の非公開化報道で広がる思惑
2025年4月19日(土)9時3分 財経新聞
●日本調剤が非公開化に向けて入札プロセス開始
調剤薬局大手の日本調剤は15日、株式の非公開化に向けた入札プロセスを実施していることを明らかにした。ロイター通信が報じている。
【こちらも】株式投資で考える日本のインフラ老朽化
この報道を受けて、日経平均が急落する中でも日本調剤の株価は急騰し、15日にはストップ高を記録した。2016年7月以来の高値をつけている。
日本調剤は「現時点で決定している事実はない」としているが、企業価値向上に向けてさまざまな経営戦略上の可能性を検討していることが好感され、市場の思惑から買われている。
日本調剤の非上場化により調剤薬局の再編が進むのだろうか。また薬局業界がどのように変化するのだろうか?
●4月に入り身売り説も!?
日本調剤は1980年に北海道札幌市で設立。調剤薬局チェーン大手で6割が大病院前のいわゆる門前薬局となり、残りは地域密着型、医療モール型、病院敷地内薬局となっている。
連結売上高は3,403億円(2024年3月期)で、国内ではアインホールディングスに次いで2位となっている。
ジェネリック医薬品(後発医薬品)にも力を入れており、ジェネリック医薬品使用率は約90%にも上る。
2024年4月に創業者三津原博氏の息子三津原康介氏が突然社長を退任し、後継者不在だった。2025年4月には一部週刊誌で同社が身売りを検討しているという報道あり、株価が急騰していた。
●調剤薬局再編の期待?
安定して利益を得られると調剤ビジネスは拡大を続け、薬局は乱立し、今やコンビニを上回る6万店まで膨れ上がっている。
店舗は飽和状態にもかかわらず、高齢化による医療費拡大抑制のため、度々診療報酬や薬価の改訂が行われている。2022年には門前薬局の調剤基本料が見直され、日本調剤のような大手には大きな痛手となっている。
調剤薬局の再編が叫ばれており、業界1位のアインホールディングスも、株式の保有比率を増やすアクティビストの圧力にさらされており、安泰ではない。
薬剤師不足も深刻だ。服薬状況もICTやオンライン対面などを活用し、24時間対応や在宅対応で効率化を進める必要がある。
日本調剤の非上場化による狙いは不明だが、これらを円滑に進めたい狙いがあるかもしれない。調剤薬局業界全体の再編が進むきっかけになるかどうか、日本調剤の動きに注目が集まる。
調剤薬局大手の日本調剤は15日、株式の非公開化に向けた入札プロセスを実施していることを明らかにした。ロイター通信が報じている。
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日本調剤は「現時点で決定している事実はない」としているが、企業価値向上に向けてさまざまな経営戦略上の可能性を検討していることが好感され、市場の思惑から買われている。
日本調剤の非上場化により調剤薬局の再編が進むのだろうか。また薬局業界がどのように変化するのだろうか?
●4月に入り身売り説も!?
日本調剤は1980年に北海道札幌市で設立。調剤薬局チェーン大手で6割が大病院前のいわゆる門前薬局となり、残りは地域密着型、医療モール型、病院敷地内薬局となっている。
連結売上高は3,403億円(2024年3月期)で、国内ではアインホールディングスに次いで2位となっている。
ジェネリック医薬品(後発医薬品)にも力を入れており、ジェネリック医薬品使用率は約90%にも上る。
2024年4月に創業者三津原博氏の息子三津原康介氏が突然社長を退任し、後継者不在だった。2025年4月には一部週刊誌で同社が身売りを検討しているという報道あり、株価が急騰していた。
●調剤薬局再編の期待?
安定して利益を得られると調剤ビジネスは拡大を続け、薬局は乱立し、今やコンビニを上回る6万店まで膨れ上がっている。
店舗は飽和状態にもかかわらず、高齢化による医療費拡大抑制のため、度々診療報酬や薬価の改訂が行われている。2022年には門前薬局の調剤基本料が見直され、日本調剤のような大手には大きな痛手となっている。
調剤薬局の再編が叫ばれており、業界1位のアインホールディングスも、株式の保有比率を増やすアクティビストの圧力にさらされており、安泰ではない。
薬剤師不足も深刻だ。服薬状況もICTやオンライン対面などを活用し、24時間対応や在宅対応で効率化を進める必要がある。
日本調剤の非上場化による狙いは不明だが、これらを円滑に進めたい狙いがあるかもしれない。調剤薬局業界全体の再編が進むきっかけになるかどうか、日本調剤の動きに注目が集まる。