「ゴマすりしてるだけで出世する人」が絶滅しないワケ
2025年4月23日(水)6時30分 ダイヤモンドオンライン
「ゴマすりしてるだけで出世する人」が絶滅しないワケ
写真はイメージです Photo:PIXTA
「かわいがってもらう」と「ゴマすり」の違いとは?
「○○さんには、ずっとかわいがってもらっておりまして」——。
有力者の名前を挙げて、自分の影響力を示そうとする人がいる。だいたい仕事ができない人である。
おそらく、かわいがってもらっているというのもうそで、「その人に取り入るべく、ゴマすりをしている」というのが本当のところだろう。
さて、少し前まで「かわいがってもらう」という言葉は、幼い頃から親や周囲の大人から頻繁に聞かされる、励ましの言葉として使われてきた。例えば、子どもが初めて学校へ行くときや新しい環境に飛び込むとき、「みんなにかわいがってもらうように頑張りなさい」といった言葉をかけられたものである。
この「かわいがってもらう」は、相手に対して自然に好意を抱かれるような行動を積み重ね、誠意や努力が伝わることで育まれる良好な人間関係を指す。そこには、相互の信頼と尊重が生まれ、相手から教えや援助を得ることで成長の機会を得るという意味合いが含まれていた。
ただ、このようにかわいがってもらうためには上手に「周囲をチャームする」必要があるともいえる。そこで、そのために意図的に行われる行為が、「ゴマすり」ということになる。
「ゴマすり」という言葉は、多くの場合、上司と部下や、顧客と社員といったビジネス上の関係において用いられる。ゴマすりとは、自分にとって有利な状況を作り出すために意図的に相手を持ち上げたり、相手の気分を良くするようなお世辞を言ったりする行為のことだ。結果的に、上の人に多少は「かわいがってもらえる」かもしれないが、その根底には「評価されたい」「得をしたい」という計算が強く働いている。