温室効果ガス対策、クボタとみずほ銀が提携…コメ農家に「排出削減」呼び掛け・取引先に「枠」販売で
2025年4月24日(木)16時20分 読売新聞
みずほ銀行とクボタの提携イメージ
みずほ銀行と農業機械大手のクボタは、温室効果ガスの削減と排出量取引の拡大に向けて業務提携する方針を固めた。クボタがコメ農家に呼び掛けて排出量を削減し、それをみずほ銀が排出枠として取引先に販売する。世界の温室効果ガス排出量の1割超を占める農業分野での削減を加速させる。
政府が企業などによる排出削減量を認証する「J—クレジット」制度を活用する。クボタはまず、自社の専用システムに登録済みの農家約3万戸を対象に、出穂前に水田の水を抜く期間を通常より長くしてもらう。政府によると、土壌に含まれる菌の働きが抑えられ、温室効果ガスの一種「メタン」排出量が最大3割減らせるという。
クボタはこの取り組みによる削減量を政府に申請し、クレジットとして認証された排出枠を、みずほ銀が手数料を上乗せして希望する取引先に売却する。みずほ銀は上場企業の約8割と取引があり、鉄鋼やセメント、電力大手などが想定されている。農家は削減量に応じてクボタから購入代金を得られる。
政府は来年度に「排出量取引制度」を本格稼働し、企業ごとに温室効果ガスの排出量の上限が定められる。この枠を超えて排出すれば、別の企業などから枠を購入する必要があり、J—クレジットに基づく排出枠取引の活発化が予想されている。