過去最悪の赤字見通しの日産、2万人削減で立て直し…国内工場の一部閉鎖など追加リストラ急ぐ

2025年5月12日(月)21時21分 読売新聞

日産の本社が入る建物

 経営再建中の日産自動車が、世界で2万人規模の人員削減を検討していることが12日、わかった。昨秋時点の計画から1万人超を上乗せし、連結従業員数の15%程度にあたる。世界的な販売不振に苦しむ日産は、従来の立て直し策では不十分とみて、国内工場の一部閉鎖も視野に追加リストラの策定を急いでいる。

 13日に行われる2025年3月期の決算発表で説明する見通しだ。日産の従業員数は、24年3月時点で13万3580人に上る。

 日産は25年3月期に、最終利益が過去最悪の最大7500億円の赤字(前期は4266億円の黒字)に転落する見通しとなっている。4月に就任したイバン・エスピノーサ社長は4月、「困難な状況に直面しているが、強い意志を持って日産の再建に取り組む」とし、従来のリストラ策を見直す考えを示していた。

 日産は内田誠前社長の体制下だった昨年11月、世界での2割の生産能力縮小と、9000人の削減を発表した。具体策としてはこれまでに、国内子会社の生産体制縮小やタイでの工場閉鎖、アルゼンチンでの車両生産からの撤退などが明らかになっている。ただ、市場からは「不十分で、数万人単位の削減が必要だ」との批判が強まっていた。

 このため日産は4月以降、新体制で再建策を見直し、今月には、北九州市で計画していた電気自動車(EV)向け電池工場の建設を撤回した。EV市場での巻き返しに向け、総額1500億円超の新規投資を行う考えだったが、現状の財務余力では困難と判断した。さらに、稼働率が大幅に低迷している国内工場の一部閉鎖の検討に入った。

 一連のリストラ費用や米国の関税措置の影響などによって、26年3月期はさらに業績が悪化する懸念が強まっている。

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