東京農工大学とサントリー、再生農業の手法を用いたサツマイモ栽培への取り組み実証を開始

2025年5月15日(木)18時17分 PR TIMES

— 病害対策に加え、GHG排出量30%以上削減を見込む —

国立大学法人東京農工大学(以下、農工大)とサントリーホールディングス株式会社(以下、サントリー)は、サツマイモの収穫量の増加および安定を目指し、鹿児島県内の生産者と協力し、5月より再生農業※1の手法による栽培を開始します。

背景:昨今、基腐病(もとぐされびょう)※2の流行によるサツマイモの収穫量減少が全国的な問題となっており、日本で流行しはじめた2018年以前と比較すると、サツマイモ収穫量は約10%減少※3しています。

研究内容:今回の実証では、土壌の健全性の回復が病害対策になるという仮説に立ち、緑肥※4やバイオマス資源由来の炭化物であるバイオ炭を農地の土壌に加えて耕し、そこでサツマイモを栽培して病害への効果を検証します。

研究体制:サントリーは緑肥やバイオ炭などの資材調達、農工大は土壌環境、土壌微生物、病害に関する技術提供・評価をそれぞれ担当し、鹿児島県内で実証栽培します。

今後の展開:実証期間は2027年末までの3年間を予定しており、病害への有効な対策を講じ、収穫量を病害以前の水準まで戻し安定させるとともに、日本固有の気象・土壌条件に適した再生農業手法の確立を目指します。
なお本実証では、緑肥やバイオ炭の使用により、これまでの農法よりも化学肥料の使用が50%程度減ることが期待でき、その場合、GHG排出量が30%以上削減できる見込みです。

[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/42435/1285/42435-1285-887582c8b9c752f14f965832ef4f51df-469x300.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ](上段)「実証に用いる緑肥」 (下段)「緑肥を加えて耕した土壌」
用語解説:
※1 土壌の健全性や生物多様性などを保護・再生しながら、農家の生活向上にも資する、持続可能かつ成果ベースの農業アプローチ。具体的には化学肥料や農薬の使用量抑制等を通じ、GHG排出量削減等につながる。
※2 サツマイモに感染する糸状菌による病気。株元が変色し、塊根が腐敗するのが特徴。
※3 農林水産省統計部「作物統計」(2024年)
※4 収穫せずにそのまま田畑にすき込み、次に栽培する作物の肥料として利用される作物。土壌中への有機物の供給や土壌侵食の防止等により土壌改良効果が期待できる、カバークロップの1種。

◆研究に関する問い合わせ◆
東京農工大学大学院グローバルイノベーション研究院
教授 杉原 創(すぎはら そう)
TEL/FAX:042-367-5676
E-mail:sohs@cc.tuat.ac.jp

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