FRB、金融政策の「長期戦略」見直しへ…パウエル議長「供給ショックが頻繁に起こる時代に入った可能性」

2025年5月16日(金)14時22分 読売新聞

FRBのパウエル議長=ロイター

 【ワシントン=田中宏幸】米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は15日の講演で、低金利や低インフレ(物価上昇)からの脱却を目指して2020年に策定した金融政策の長期戦略を見直すと表明した。トランプ米政権の高関税政策などを念頭に、雇用の最大化やインフレ率の目標に関する文言を修正するとみられている。

 FRBは12年に長期戦略の声明を発表し、2%の物価目標を初めて導入した。その後、低金利の長期化や低インフレからの脱却が課題となっていた20年に戦略の内容を修正。インフレ率が一時的に2%を超えることを容認し、失業者がより多く働けるように低所得者層を中心に雇用環境の改善を優先して利上げを急がない方針を明記した。

 パウエル氏はこの日の講演で、「供給ショックがより頻繁に起こる時代に入っている可能性がある。経済と中央銀行にとって困難な課題だ」と述べ、表現の見直しの必要性に言及。「経済が直面する不確実性に対する理解を、いかに幅広く促進するかが重要な課題だ」とも指摘し、FRBと市場との間の意思疎通についても改善策を検討する考えを示した。

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