職場の人と「仲良くしない人」は、出世する。その本当の理由
2025年5月18日(日)6時30分 ダイヤモンドオンライン
職場の人と「仲良くしない人」は、出世する。その本当の理由
「真面目に仕事をしているのに、なぜか上司に評価されない…!」あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化したロングセラーだ。発売直後から賛否両論を巻き起こし、「よくぞ言ってくれた」「暗黙知が“言語化”されている」「今まで気づいていなかった“新事実”」など大反響が集まっている。そんな「職場で実力を適切にアピールする“見せ方”の技術」をまとめた本書の中から「出世する人/しない人の特徴」についてお伝えする。
Photo: Adobe Stock
職場の人と「距離を保つ人」は出世する
あなたの友人関係は浅く広く派ですか、それとも狭く深く派でしょうか。前者では顔が広くなる一方で、なかなか深い話が友人としづらいといったデメリットがあります。逆に、後者は友好関係が狭いので一人友人を失うだけで大きな打撃とはなりますが、なかなか打ち明けづらい悩みなどを相談することが出来る関係が構築できるというメリットがあります。
僕が勤めるメガバンクの初任店では、この時期は新人歓迎会という名の新人による芸を披露する会がありました。当時はAKB48が全盛の時代で一生懸命踊ったことが功を奏して先輩たちが仕事で困った時に助けてくれるようになりました。
実は、出世するサラリーマンは仕事で職場の人たちと一定の距離感を保った関係を構築しています。少数の人たちと局地的に仲良くなったりすることはあまりないです。これには歴とした理由があります。今回は、そんなサラリーマンの思考回路について解説していきます。
「仲良くしすぎる」と仕事に甘えが生まれる
「職場の人と仲良くするメリットはありますか?」と聞かれたあなたは迷わず仲良くなるに越したことはないと回答すると思います。仲良くなることで、仕事で聞きにくいことやお願い事がしやすくなるわけですから。
ここまでは共通して理解していることかと思うのですが、実は仲良くしすぎることでこのメリットがデメリットに傾いてしまうことがあります。
具体的には、馴れ合いによる仕事の寄りかかりです。仲がいいというのは、融通が利くということです。「締切を守らなくてもいいよね」、「本当はこっちの仕事だけどそっちでやってね」というドライな関係なら想定できないような甘えが発生してしまうのです。仲良くしすぎるとこういった仕事の寄りかかりが常態化するリスクがあります。
仕事ができる人は、これについても理解していて、職場の人と馴れ合いが発生しないように一定の距離をおいているのです。
「職場の人と仲良くするか?」は難題
仕事において、良好な人間関係はとても重要です。特に人が良いと、「仕事を寄せてくる人」や「話が長い人」のターゲットになりやすいです。なるべくあなたがそうならないように、周りの人を巻き込んだり、その人と直接会話する回数を下げるような工夫をすることを心がけましょう。
ただ、「職場の人と仲良くするかどうか」は、人や社風によって考え方の違うこともあります。ウェットな人間関係のほうがうまくいく仕事も中にはあるでしょう。
ぜひみなさんも一度、「自分が普段どうしているか」「どうしたほうが出世に近いか」「そもそも、出世したいのかどうか」など、今一度振り返って考えてみてください。
(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)