東レが挑んだ “半年間交換不要” のポット型カートリッジの開発秘話。受け継がれるトレビーノ®のこだわりとは。
2025年5月21日(水)11時0分 PR TIMES STORY
「水は東レのトレビーノ♪」というサウンドで親しまれている、東レ株式会社の家庭用浄水器「トレビーノ」。医療分野で活用されていた技術を応用し、1986年に誕生しました。
現在は、蛇口に直接取り付ける「蛇口直結型」浄水器のほか、冷蔵庫にスッキリ収まる「ポット型」、キッチンのシンク下に設置する「アンダーシンク型」など、多彩な浄水器ラインナップを展開。さらに、浴室で使用する髪や肌に優しい「浄水シャワー」も展開しています。
技術革新とライフスタイルの変化に伴い、浄水器も進化を続けています。その一環として、2025年4月には、トレビーノのポット型浄水器史上最も長持ちする600L寿命で半年間交換不要のカートリッジ「PTC.SLV」と、そのカートリッジを搭載した浄水器「PT307SLV」を発表しました。トレビーノのポット型浄水器の新カートリッジ発売は11年ぶりとなります。
今回は「PT307SLV」「PTC.SLV」の発売を機に、新製品の開発エピソードを、トレビーノ事業部の市之瀬と技術開発を担当した福田が、“トレビーノのこだわり”を振り返りながら語ります。
日本のキッチンに合わせて進化した「トレビーノ」
市之瀬: 「トレビーノ」は、“高い浄水能力”と“使いやすさ”が特徴の家庭用浄水器です。浄水技術を進化させながら、日本の暮らしに合ったサイズや使い勝手にこだわり、安心しておいしい水を使っていただけるように製品開発に取り組んでいます。
実は、トレビーノには東レの様々な素材が使われています。例えば、医療分野でも使用している中空糸膜や東レ独自の樹脂を活用しています。
そして特にこだわっているのは、日本のキッチンに合った使いやすいデザインであること。日本のキッチンやシンク回りは、やや狭いことが多いですよね。そのためのコンパクトな設計やポット型浄水器では冷蔵庫収納を考慮したサイズなど、細部までこだわりをもって開発しています。時には自宅や社内にとどまらず、家電量販店の冷蔵庫売り場に何度も足を運び、様々なドアポケットを見て研究したこともあるんです。
福田:お客様の生活シーンに寄り添うことは、研究開発でも大切なテーマです。例えば、忙しい朝にもすぐにおいしいお水を使えるよう浄水スピードを向上したり、蛇口直結型浄水器の取り付けやすさを工夫したり。さらに、ご家庭でも手軽に衛生的に使えるよう、カートリッジ交換の簡単さや洗いやすさにもこだわって設計しています。
「コスパよく、長く使いたい」 ユーザー調査をもとに生まれた600L長寿命カートリッジ
市之瀬:今年4月、トレビーノのポット型浄水器として11年ぶりとなる新カートリッジ「PTC.SLV」を発売しました。PT307SLVにはこの新カートリッジが搭載されています。
「長寿命」に着目したきっかけは、ユーザーの声でした。新製品の開発にあたり、ポット型浄水器ユーザーの方々を対象に調査を実施。購入時に重視するポイントや現在使用中のカートリッジの不満点についての回答結果から、ポット型浄水器の課題が見えてきたんです。
購入時の重視点として上位に挙がったのは「浄水能力」「ブランド」「カートリッジの価格」「使いやすさ・お手入れのしやすさ」「日本製」など。一方、不満点として最も多かったのは「カートリッジの寿命・ランニングコスト」、次いで「カートリッジの交換頻度が多く作業が面倒」という回答でした。お客様が面倒や不満に感じている点を解消し、これまで以上に便利においしいお水を使ってほしいと考え、従来の寿命の3倍となる600L長寿命カートリッジの開発が始まりました。
様々な社員で検証し、どんな人にも使いやすいカートリッジにアップデート
市之瀬:「PTC.SLV」は、吸着性能の高い活性炭ろ材を採用し、トレビーノ独自のろ過システムと組み合わせることで、高いろ過能力と素早いろ過スピードを維持しながら、長寿命化を実現しています。加えて、使用開始初期の活性炭の粒の発生も従来品以上に抑制しています。
好評をいただいている「スピード浄水」機能も今回の新製品に継承しています。使いたいときにすぐ、キレイでおいしい水が使えると、多くの口コミで高く評価されています。
さらに「使いやすさ」にもこだわりました。開発過程では、社内の多様なメンバーが実際に製品を使用し、さまざまな手の大きさや持ち方に応じた使い心地を検証しました。その中で、手の大きな方にとってはポット上部が狭く、カートリッジの取り外しがしづらいことに気付き、カートリッジの柄の部分を少し延長して改良しました。こうした細やかな調整が、「お手入れのしやすさ」や「使いやすさ」につながっています。
デザインと性能のせめぎあい。試作を繰り返し、こだわりぬいたバランスに
福田:今回の開発では、長寿命化と浄水スピードを両立したうえで、それらの性能とデザイン性へのこだわりも両立する必要がありました。最大のポイントである「長寿命化」のためには、ろ過能力の向上が求められます。そのうえで「より使いやすいデザイン」に収めることは大きな挑戦であり、試行錯誤を繰り返しました。
何度も試作を重ね、作成したサンプルは数十個にのぼります。そのたびにテストを繰り返し、最適なバランスを探り続けました。トレビーノのポット型浄水器のカートリッジは全て互換性があるため、規定内のサイズを維持する必要もあります。デザイン面では、カートリッジの大きさや見た目はもちろん、ろ過された水が均等にカートリッジから流れることにもこだわっています。
デザインと性能のせめぎあいとなった時に、浄水スピードやろ過能力など、性能面は譲れないことが多いんです。それでも、心地よい使いやすさをどこまで追求できるかと考え、事業部と技術チームでいくつものサンプルを試作し、何度も評価を重ねながら、絶妙なバランスを見つけていきました。
「冷たいお水をおいしく飲みたい」 日本の冷蔵庫事情に対応したポットデザイン
市之瀬:トレビーノのポット型浄水器は、「冷たいお水を飲みたい」「冷蔵庫で冷やして使いたい」というユーザーのニーズに応えるため、全ての製品が冷蔵庫のドアポケットに収納できる設計になっています。特にPT307SLVはその中で最もコンパクトなタイプです。幅が狭い面は一般的な牛乳パック、もう一方の面は2Lペットボトルの幅に設計しており、ドアポケットにスッキリ収まります。
さらに、冷蔵庫のデッドスペースを有効活用できる工夫も施しています。例えば、家庭用の冷蔵庫のドアポケットって、調味料や飲み物などがたくさん入っている場合が多く、「あと少しここに置けたら…!」ということも。そこで取っ手の高さを調整し、ドレッシングなどの小瓶が収まりやすいデザインにしています。
全てのパーツを外して洗える仕様も、トレビーノのポット型浄水器共通の特徴です。この点も「洗って使いたい」「清潔にしたい」という声にお応えできるよう工夫しています。そういったユーザーとの等身大の目線を忘れずに、日本のキッチン事情に合った使いやすい製品づくりを心がけています。
新カートリッジは互換性があるので、トレビーノの既存のポット型浄水器でもお使いいただけます。共働きなどで忙しいご家庭の方や、お水をたっぷりと飲みたい方、手間を減らしてコスパ良く使いたい方に、ぜひお試しいただけたら嬉しいです。
2026年に40周年を迎えるトレビーノ。未来に向けたそれぞれの思い
市之瀬:今回発売したのは、お客様の不満点を解消し、より手軽においしいお水を使っていただけるよう開発した新製品です。ユーザーさんが「これを待ってた!」と思ってもらえる製品を届けたいと考え、楽しみに開発を進めてきました。実際、リリース後には「どこで売っていますか?」といった嬉しいお問い合わせが、当社サービスセンターにたくさん届いています。
私自身は約30年間トレビーノに携わり、その「こだわり」に夢中になった一人です。はじめは製品開発のアシスタントとして関わり始めたのですが、「安心安全」はもちろん、素材やデザインといった細部までこだわりが詰まった製品で、知れば知るほど魅力を感じました。もっと便利に、多くの方に届けたいという思いが強まり、開発に携わっています。今後もお客様のニーズをしっかりと確認しながら、「使っていてよかった!」とわくわく楽しんでいただける製品をお届けしたいですね。
福田:私は今回、初めてポット型浄水器の開発を担当しました。これまでに担当してきた蛇口直結型浄水器とは、水圧など異なる特性があるため、はじめは思うようにいかないこともありました。それでも、周囲の協力を得ながら試作を重ね、ついに製品化に至りました。技術的な学びも多くあったので、次の製品開発にも活かしていきたいと思っています。
開発担当として、お客様に安心して使っていただける製品づくりを継続することがまず大切だと考えています。さらに未来を見据えると、環境問題への取り組みも重要になります。技術者として、環境に優しい製品づくりにも挑戦していきたいです。
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