~ よりよい「食」を目指し、新しい世界を築き上げた作品や個人を顕彰 ~第15回辻静雄食文化賞 受賞作・受賞者決定

2024年5月22日(水)13時16分 PR TIMES

『風景をつくるごはん—都市と農村の真に幸せな関係とは』真田純子著専門技術者賞/手島純也(Chez Inno(シェ・イノ)料理長)

 公益財団法人辻静雄食文化財団が主催する「辻静雄食文化賞」は、食分野の教育と研究に生涯を捧げた辻調グループの創設者 辻静雄の志を受け継ぎ、2010年に創設されました。この度、「第15回辻静雄食文化賞」の受賞作品・受賞者が決定しましたのでお知らせいたします。

 本賞は、我が国の食文化の幅広い領域に注目し、よりよい「食」を目指して目覚しい活躍をし、新しい世界を築き上げた作品、もしくは個人・団体の活動を対象に選考し、これに賞を贈るものです。また特別部門として専門技術者賞を設け、調理や製菓等の現場で活躍する技術者を顕彰しています。

 なお、第15回辻静雄食文化賞贈賞式は、2024年8月の開催を予定しております。贈賞式につきましては、改めてご案内申し上げます。

[画像1: https://prtimes.jp/i/16404/163/resize/d16404-163-ccdf62810ce90ae2c758-2.jpg ]

辻 静雄(つじ しずお)
1933年2月13日東京生まれ。1993年3月2日死去(享年60歳)。
辻調グループ創設者 辻静雄は教育者であり、フランス料理研究者。1960年大阪市阿倍野に辻調理師学校を設立。ヨーロッパに幾度も足を運び、料理への理解と文献に基づく研究を深めるとともに、多くの料理人と親交を結ぶ。1972年フランス政府より「M.O.F.(Meilleur Ouvrier de France)」の名誉章を外国人として初めて授与される。著書多数。

第15回辻静雄食文化賞 選考委員会 (敬称略)
委員長: 鹿島茂(フランス文学者、明治大学名誉教授)
委員: 石毛直道(国立民族学博物館名誉教授、文化人類学者)
福岡伸一(青山学院大学教授、分子生物学者)
湯山玲子(著述家、プロデューサー)
辻芳樹(辻調グループ代表、辻調理師専門学校校長)
八木尚子(辻静雄料理教育研究所副所長)

第15回辻静雄食文化賞 小委員会 (敬称略)
委員: 門上武司(「あまから手帖」編集顧問)
君島佐和子(フードジャーナリスト)
柴田泉(『料理王国』編集長)
戸田顕司(日経ナショナル ジオグラフィック 社長補佐)
長沢美津子(朝日新聞東京支社 くらし報道部記者)
浜田岳文(株式会社アクセス・オール・エリア 代表取締役)
林由香(株式会社KADOKAWA 海外事業局 海外事業総括部 編集)
山田健(サントリーホールディングス株式会社 サスティナビリティ経営推進本部シニアアドバイザー)
山内秀文(元辻静雄料理教育研究所研究顧問)
八木尚子(辻静雄料理教育研究所副所長)

第15回 辻静雄食文化賞 受賞作・受賞者


<第15回 辻静雄食文化賞>
■『風景をつくるごはん—都市と農村の真に幸せな関係とは』  
真田 純子/著、農山漁村文化協会/刊

[画像2: https://prtimes.jp/i/16404/163/resize/d16404-163-f50fadb0810d7cc1f80c-0.jpg ]

<贈賞理由>
植物や昆虫の美しさに認められるような自然環境に適応して生きる合理性と、最大多数の人間が生きていくための産業構造の合理性は、どうしても抵触する。つまり、自然に根ざしたかつてのような農村風景と、近代的な都市の論理、合理性は衝突せざるを得ない。そのふたつをいかに折り合わせるかと考える時、自然的なものに比重を置いた上で多数の人間が生きていくことを目指す、ヨーロッパ的な観点の導入がありうることを、著者は提案している。食文化と農村風景を結びつけるという新しい視点から、そこに関わる私たちに、環境の保全を追求した風景と食の美しさの可能性を示唆したことは評価に値する。

<作品について>
景観工学を専門とする著者は、美的分析・評価の観点から農村風景を眺めた時に感じた違和感を出発点に、食べ物を生産する場である農村およびそこに住む人と、消費の場である都市およびそこに住む人の関係を見つめ直す。農村での実践を通してその生業の実態に迫る一方、食をめぐる社会システムの中核をなす農業の課題を明らかにするために、日本とEUの農業政策の比較検討へと考察の範囲を広げていく。農村とその風景を通して、今この社会で食べる私たちに大きな問いを投げかけている。

   
<第15回 辻静雄食文化賞 専門技術者賞>
■手島 純也 (てしま じゅんや)
Chez Inno (シェ・イノ) 料理長

[画像3: https://prtimes.jp/i/16404/163/resize/d16404-163-4330267322a05d94f3ad-0.jpg ]

<贈賞理由>
日本におけるフランス料理の継承者として、フランスで学んだ先行世代が持ち帰った伝統的技術を受け継ぎ、その卓越した技術力で現代に開花させることによって次世代に手渡そうとする強い意思を、高く評価した。店に集う客と調理場とサービスのスタッフの力があいまって、劇場的な非日常空間を生み出すガストロノミーレストランは、フランスの美食文化の精華である。その精神を日本で体現する「シェ・イノ」の一員として、また志を同じくする仲間との活動を通じて、日本のフランス料理に新たな世界を築き上げていくことを期待する。

Cuisine Française Chez Inno (シェ・イノ)
https://www.chezinno.jp/
〒104-0031 東京都中央区京橋2-4-16 明治京橋ビル1F


参考資料:過去受賞一覧
第1回 辻静雄食文化賞
・『日本めん食文化の一三○○年』(奥村彪生・著/農文協・刊)
・奥田政行+山形在来作物研究会の活動


第2回 辻静雄食文化賞
・『茶懐石に学ぶ日日の料理』(後藤加寿子・著/文化出版局・刊)
・『家族の勝手でしょ!写真274枚で見る食卓の喜劇』(岩村暢子・著/新潮社・刊)


第3回 辻静雄食文化賞
・『田口護のスペシャルティコーヒー大全』(田口護・著/NHK出版・刊)
- 専門技術者賞
・谷昇 レストラン「ル・マンジュ・トゥー」 オーナーシェフ

第4回 辻静雄食文化賞
・NHK「きょうの料理」とNHKテキスト「きょうの料理」
- 専門技術者賞
・成澤由浩 レストラン「NARISAWA」 オーナーシェフ

第5回 辻静雄食文化賞
・『食と建築土木』(後藤治・著、監修/二村悟・著/小野吉彦・写真/LIXIL出版・刊)
・『ある精肉店のはなし』(纐纈あや・監督、本橋成一・プロデューサー)
- 専門技術者賞
・穴見秀生 日本料理「本湖月」 主人・料理長
・石原仁司 日本料理「未在」 主人・料理長

第6回 辻静雄食文化賞
・『千年の一滴 だし しょうゆ』 国際共同制作ドキュメンタリー 
 (監督:柴田昌平、プロデューサー:大兼久由美/牧野望/伊藤純/Luc Martin-Gousset/
  Catherine Alvaresse、制作:プロダクション・エイシア/NHK/Point du Jour/ARTE France)
- 専門技術者賞
・山本征治 日本料理「龍吟」 オーナーシェフ


第7回 辻静雄食文化賞
・『慈悲深き神の食卓 イスラムを「食」からみる』
 (八木久美子・著/東京外国語大学出版会・刊)
・井信行 (熊本県阿蘇郡産山村 くまもとあか牛生産者)
- 専門技術者賞
・米田肇 「HAJIME」 オーナーシェフ

第8回 辻静雄食文化賞
・『魚と日本人-食と職の経済学』(濱田武士・著/岩波書店・刊)
- 専門技術者賞
・中道博 レストラン「モリエール」 オーナーシェフ


第9回 辻静雄食文化賞
・『珈琲の世界史』(旦部幸博・著/講談社・刊)
- 専門技術者賞
・杉野英実 「HIDEMI SUGINO」 オーナーシェフ

第10回 辻静雄食文化賞
・『給食の歴史』(藤原辰史・著/岩波書店・刊)
- 専門技術者賞
・志村剛生 「てんぷら成生」 主人


第11回 辻静雄食文化賞
・千葉県いすみ市 有機農業による地域の食文化の創成
- 専門技術者賞
・小林寛司 「villa aida」 オーナーシェフ


第12回 辻静雄食文化賞
・『わさびの日本史』(山根京子・著/文一総合出版・刊)
- 専門技術者賞
・川田智也 「茶禅華」エグゼクティブシェフ


第13回 辻静雄食文化賞
・『中国料理の世界史—美食のナショナリズムをこえて』
 (岩間 一弘・著/慶應義塾大学出版会・刊)
・『全集 伝え継ぐ 日本の家庭料理』(全16巻)
 (一般社団法人 日本調理科学会・企画編集/農山漁村文化協会・刊)
- 専門技術者賞
・リオネル・ベカ(Lionel Beccat) 「エスキス」エグゼクティブシェフ

第14回 辻静雄食文化賞
・『古くて新しい 日本の伝統食品』(陸田幸枝・著/大橋弘・写真/柴田書店・刊)
- 専門技術者賞
・谷口英司 「キュイジーヌ・レジョナル・レヴォ」オーナーシェフ

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