日産が本社ビルの売却検討、7工場削減や2万人リストラの費用に備え…横浜・みなとみらい地区
2025年5月23日(金)20時52分 読売新聞
日産自動車グローバル本社外観
経営再建中の日産自動車が、横浜市の本社ビルの売却を検討していることがわかった。国内含む世界7工場の削減や2万人の人員削減にかかるリストラ費用に備え、財務基盤を厚くする狙いがある。売却後も本社を賃貸で契約し、事業を継続する案を検討しているものとみられる。
本社ビルは横浜駅に隣接する横浜市みなとみらい地区に位置する。日産は2009年、東京・銀座の旧本社ビルから本社機能を移し、世界で展開する販売や生産などの事業を統括する「グローバル本社」と位置づけている。
資産価値は1000億円超に上るとみられ、売却すれば手元資金を捻出することが可能となる。日産のジェレミー・パパン最高財務責任者(CFO)は13日の決算記者会見後の取材に対し、26年3月期にリストラ費として600億円を追加で計上する可能性があると明らかにしていた。
日産は25年3月期連結決算で、最終利益が6708億円の巨額赤字に転落。27年度までに世界で2万人の人員削減を行うとともに、完成車工場は中国を除いて17から10に集約するリストラを行う計画で、26年度までに計5000億円のコスト削減を目指すとしている。