「そりゃ嫌われるわ…」嫌われる上司が部下にする超NG質問・たった1つの共通点

2025年5月29日（木）6時15分　ダイヤモンドオンライン

「『なぜ、そう思うの？』は、絶対にNGです」「なぜなぜ分析」をはじめに「なぜ？」という問いは“論理的に考える”ための「良い質問」だと考えられている。しかし実は「なぜ？」「どうして？」は、致命的な「解釈のズレ」を生み、噛み合わない会話＝「空中戦」を作り出してしまう元凶、「最悪の質問」なのだ。「事実と解釈の違い。これに気づけていない人は、まだ確実に“曇りガラス”の中にいます」——。話題の新刊『「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術』では、世界・国内の各地で実践・観察を積み重ねてきた著者による「賢い質問の方法」＝事実質問術を紹介している。本書に掲載された衝撃の新事実の中から、今回は「ありがちなNG質問」について紹介する。（構成／ダイヤモンド社・榛村光哲）

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「なぜ」は良くない質問

　皆さんの職場の上司はどのような上司でしょうか。また、部下はどのような部下でしょうか。出来の良い上司もいれば、出来の良い部下もいるでしょう。しかし、その逆もきっと多いですよね。

　特に、上司と部下との間のコミュニケーションは難しいものです。

　たとえば、次のような質問を上司からされることはないでしょうか。

「なぜ、そう思ったの？」
「どうして、そう考えたの？」
「なんで、そうしたの？」

　もしかすると、部下にこのような質問をしている上司も多いかもしれませんね。

　しかし実は、この質問は相手を「問い詰める」可能性の高い良くない質問です。

　今回はこれについて、紹介していきましょう。

「なぜ」がダメな決定的な理由

　ではどうして、この質問がダメなのか、考えてみましょう。

　たとえば、あなたがプレゼンで提案をした後、上司が次のように言ってきたとしましょう。

「どうして、この提案が良いと思ったの？」
「なんで、この提案を選んだの？」

　あなたは率直にどう感じるでしょうか。おそらく、一瞬、上司からの圧やプレッシャーを感じてしまうのではないでしょうか。「うっ」と、答えに詰まるのではないかと思います。「どこか、自分のプレゼンで悪い点があったかな」「準備不足だったあの箇所を気にしているのかな…」などと、いろいろな考えを巡らせてしまうかもしれません。

　実は私たち人間は、自分でも「よくなかったかなあ」と思っている行為に対して、「なぜ？どうして？」と聞かれたら、とっさに言い訳してしまうようにできています。実際に口に出すかどうかはともかく、「言い訳したくなる気持ち」が生じてしまうのは、ある程度各国共通のようです。

「なぜ」は相手を「問い詰める」質問

　しかし、実際は、上司の言葉だけを追うと、「ただ単に理由を問われているだけ」ではあります。つまり、上司は必ずしも、部下を「問い詰めよう」としているわけではないのかもしれません。もしかすると、「単純に興味がある」から先を聞き始めてくれたのかもしれませんし、場合によっては「理由を考えさせて、部下をもっと育ててあげたい」という気持ちの表れかもしれませんね。

　ただ残念ながら、「質問する側とされる側の間に、力関係が存在する」場合＝対等でない、モチベーションに差がある場合には、「なぜ」「どうして」がよくない方向に作用する可能性が高くなります。ビジネスで言えば、上司と部下の場合などはそれが顕著です。

　質問する側とされる側の間の力関係などの差、たとえば、「知識、情報、経験などに差があり、信頼関係が築かれていない」場合、「なぜ質問」は力関係やモチベーションの差を強化するだけの危険な質問として機能する恐れがとても強いのです。