トランプ大統領が鉄鋼の関税を50%に引き上げ…「25なら乗り越えられる壁、50なら乗り越えられない」

2025年5月31日(土)10時13分 読売新聞

演説するトランプ大統領(30日)=AP

 【ニューヨーク=小林泰裕】トランプ米大統領は30日、自身のSNSで「6月4日から、鉄鋼とアルミニウムへの関税を25%から50%に引き上げる」と表明した。米国産の鉄鋼などの価格競争力を高める狙いがあるが、他国からの報復を招く恐れもある。

 トランプ氏は30日、米東部ペンシルベニア州ピッツバーグ近郊で演説し、「関税の引き上げにより、米国の鉄鋼産業はさらに安定する」と強調した。「(税率が)25%なら、(他国は)何とかその壁を乗り越えられるだろうが、50%になると乗り越えられなくなる」とも述べた。

 米国は鋼材需要の3割を輸入に頼っており、関税引き上げで自国産のシェア(占有率)を高められるかどうかは不透明だ。

 トランプ政権は3月12日、米国に輸入される鉄鋼・アルミ製品に25%の追加関税を発動した。直後の13日にはカナダが報復関税を発動した。今回も同様の対応が広がる可能性がある。

 財務省の貿易統計によると、2024年の日本から米国への「鉄鋼」の輸出額は3026億円で輸出額全体の1・4%、「アルミとその合金」は245億円で0・1%だった。

 米国際貿易裁判所は28日、トランプ政権の「相互関税」などに対して恒久的な差し止めを命じたが、上級審にあたる米連邦巡回区控訴裁判所が29日、判決の執行を一時停止させた。鉄鋼に関する関税は差し止めの対象外となっている。

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