【共同プレスリリース】東京海洋大学とヴィーナ・エナジー、共同研究の成果を学会発表

2023年11月13日(月)16時16分 PR TIMES

—新たな洗掘防止工、及び気象海象情報の予測技術の研究成果を公表—

国立大学法人東京海洋大学学術研究院 海洋資源エネルギー学部門 池谷 毅教授らのグループとヴィーナ・エナジーグループ会社である日本風力エネルギー株式会社は、日本における洋上風力発電事業の拡大のためには、建設費用の低減と建設工期の短縮化の実現、さらには、先行利用者である漁業者との協調・共生のための課題を解決することが重要であると考え、2021年より共同研究を進めてきました。
具体的な研究テーマについては、以下の通りです。
テーマ1) 新しい洗掘防止工の開発
テーマ2) 気象海象情報の予測
テーマ3) 地盤条件に関する評価
テーマ4) 漁業者及び周辺地域との調和のための調査・評価手法の開発

このうち、テーマ1)新しい洗掘防止工の開発、テーマ2)気象海象情報の予測については、学術的な価値を有する成果がみられたことより、東京海洋大学の池谷研究室のグループが学会で発表することとしました。

■学会発表の内容概要
テーマ1)新しい洗掘防止工の開発
着床式洋上風力発電設備のモノパイル基礎周辺の洗掘防止工の一つに、多数の丸型の袋型根固め材により海底面を被覆する方法が提案されています。しかし、袋材の移動や袋材とモノパイルとの隙間からの土砂の吸出しが発生する可能性や施工に時間がかかることが指摘されています。
そこで、本研究ではそれらの現象を効率的に防止することのできる環状の袋型根固め材を提案し、基本的な製作・施工可能性、洗掘防止性能を検証することを目的とした模型実験を実施しました。なお、本研究においてはケーブル敷設についてはまだ検討されていません。
製作・施工については型枠、形状保持ロープの使用、適切な石材量等を選択することで可能となると判断されました。洗掘防止性能については、環状袋材により 3D(Dモノパイル基礎の直径) の範囲を被覆することでモノパイル近傍の吸出しが防げることが確認され、丸型袋材やアスフアルトマットとの併用により効果が増大することも明らかとなりました。
[画像: https://prtimes.jp/i/52790/36/resize/d52790-36-1bf09d4dfaf87b32f4cf-0.png ]

テーマ2)気象海象情報の予測
気象海象条件の予測については、船舶の作業性が波の状況に大きく左右されるため、 洋上風力発電の建設、運転維持管理の安全性、経済性の両面から重要な課題となります。通常、数日かかる洋上風力タービンの設置には、中期の波浪予報が必要です。
従来の高計算コストの数値解析の代わりに本研究では、ニューラルネットワーク (NN)を用いた全球波浪アンサンブルシステム(WENS)の予測に基づき、近海域における高精度の中期波浪予測手法を開発することを目的としました。全球波浪アンサンブルシステム (WENS)を用いて近海波浪を予測するために、フィードフォワード型ニューラルネットワー クを構築しました。
その結果、対象地点に最も近いWENSグリッドの予測データを使用すれば、信頼性の高い予測を行うのに十分であることがわかりました。51個のアンサンブル・メンバーの平均値をNNの入力として使用することにより、予測精度を向上させることができます。中期予測の精度は比較的高く、海洋建設工事のスケジューリングへの応用の可能性を示しています。

なお、これらの成果は、11月14日(火)〜17日(金)に行われる「土木学会第70回海岸工学講演会」およびAsian and Pacific Coasts (APAC) 2 0 2 3にて東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科の学生が報告する予定です。

東京海洋大学について
2003 年に東京商船大学と東京水産大学が統合し設立された国内唯一の海洋系大学。「海を知り、海を守り、海を利用する」をモットーに、海洋に特化した大学であるという特色を活かし、海洋分野におけるグローバルな学術研究の強力な推進とその高度化に取り組んでいます。
https://www.kaiyodai.ac.jp/

ヴィーナ・エナジーについて
ヴィーナ・エナジーは稼働中、建設中、FITもしくはPPA確保済み、および開発の様々な段階にある太陽光発電所、風力発電所(陸上/洋上)、エネルギー貯蔵システム(定置型および可搬型貯蔵)など、合計出力45ギガワットを超える資産を有するアジア太平洋地域で最大級の独立系再生可能エネルギー事業者(IPP)です。シンガポール本社のほか日本、韓国、台湾、タイ、インド、オーストラリア、インドネシア、フィリピンに本社および事業所79拠点、従業員約900名を有しています。

ヴィーナ・エナジーは、環境・社会・ガバナンス(ESG)基準のマネジメントをその戦略及び事業活動に組み込むとともに、プロジェクトのライフサイクルを通じた地域社会との関係構築に真摯に取り組んでいます。

ヴィーナ・エナジーの日本法人であるヴィーナ・エナジー・ジャパン株式会社は、本社(東京都港区)および17拠点の国内事業所を有しています。国内においては、太陽光発電事業は日本再生可能エネルギー株式会社、陸上風力発電事業は日本風力エネルギー株式会社、洋上風力発電事業はヴィーナ・エナジー洋上風力株式会社、運営管理はNREオペレーションズ株式会社、建設工事等の施工管理はヴィーナ・エナジー・エンジニアリング株式会社が行っています。

詳しくは、https://www.venaenergy.co.jp(日本語)、https://www.venaenergy.com(英語)をご参照ください。

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