【遠藤周作生誕100年記念】遠藤周作初期作品シリーズ最新刊!「白い人」で芥川賞受賞直後に書かれた、幻の問題作!

2023年11月21日(火)14時46分 PR TIMES

「もう、どうでもよかった。俺には罪の意識がない——」 灼熱の太陽に燃えるアフリカの地で、黒く渦巻く人間の根源的な苦悩と恐怖。芥川賞受賞直後に書かれた表題作ほか、遠藤文学の道標となる全9篇!

株式会社河出書房新社(本社:東京都渋谷区 代表取締役:小野寺優)は、遠藤周作生誕100年を記念し、大好評の初期作品シリーズ最新刊『砂の上の太陽 遠藤周作初期短篇集』を2023年11月21日に発売します。芥川賞受賞直後に書かれた幻の表題作ほか、本シリーズでしか読めない貴重な作品を収録しました。

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本年2023年、遠藤周作生誕100年のメモリアル・イヤーに際し、現在ではなかなか読むことのできない貴重な初期作品を集めた「遠藤周作初期作品シリーズ」が大好評発売中です。シリーズ最新刊として『砂の上の太陽 遠藤周作初期短篇集』を11月21日に発売します。

1955年「白い人」で芥川賞を受賞した直後に書かれた幻の表題作ほか、遠藤文学の道標となる全9篇を収録。フランス留学時代の体験を描いた「ぼくたちの洋行」「あわれな留学生」、遠藤文学永遠のテーマ「母なるもの」を想起させる「ピエタの像」、異国の地で出逢った老人の自殺の報から人生の黄昏を描く「ナザレの海」、ほか単行本初収録作品の「英語速成教授」「エイティーン」「小鳥と犬と娘と」「除夜の鐘」。いずれも後の遠藤作品への重要なアプローチとなる感動作です。

*本年は「遠藤周作生誕100年」を記念し、様々なイベントが開催されています。現在は、長崎市遠藤周作文学館にて「生誕100年特別企画展『100歳の遠藤周作に出会う』」、町田市民文学館ことばらんどにて「生誕100年遠藤周作展 ミライを灯すことば」が開催中です。

今井真理氏による「解説」より


「本書『砂の上の太陽』に収められた短篇は遠藤周作の初期作品であり、そこにはみずみずしさと共に青年のもつその時代の悲しみや行き場のない怒りや、越えられない様々な壁が描かれている。そして、青年遠藤が取り組んだ、色、つまり人種問題や、留学時代に見せつけられた「悪」の問題、キリスト教がどのように日本に根付くのかなどが問われたといえる。そして、それらはのちの遠藤作品の種としてたしかに存在する。その後、遠藤周作は作家としての円熟期を迎え、代表作である『沈黙』や『死海のほとり』『侍』『スキャンダル』『深い河』へと歩を進め、遠藤文学は「母なる基督」をテーマに赦す神、同伴者イエスを獲得していく。それらのテーマは時代を超え、現代を生きる私たちに人間にとって本当に必要なものは何か、祈ること、愛すること、共に生きることの意味などを伝えていく」
(今井真理氏は、日本近代文学・現代文学が専門の文芸評論家。日本ペンクラブ会員・日本キリスト教文学会会員・遠藤周作学会会員。本シリーズの解題・解説を担当)

■本書収録作品(発表年) *収録順
「ぼくたちの洋行」(1967年)
「あわれな留学生」(1959年)
「英語速成教授」(1958年)
「エイティーン」(1957年)
「小鳥と犬と娘と」(1965年)
「除夜の鐘」(1969年)
「ピエタの像」(1967年)
「ナザレの海」(1971年)
「砂の上の太陽」(1955年)

■内容紹介
遠藤周作生誕100年企画。『沈黙』が執筆されるまでの、著者の原点となる信仰の苦悩を描く「砂の上の太陽」他、50年代60年代を中心に初期の知られざる短篇を発掘。貴重な作品の数々!

■著者紹介
遠藤周作(えんどう・しゅうさく)
1923年、東京生まれ。幼年期を旧満州大連で過ごす。神戸に帰国後、12歳でカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学仏文科卒業。50年から53年までフランスに留学。一貫して日本の精神風土とキリスト教の問題を追究する一方、ユーモア小説や歴史小説、戯曲、「狐狸庵もの」と称される軽妙洒脱なエッセイなど、多岐にわたる旺盛な執筆活動を続けた。55年「白い人」で芥川賞、58年『海と毒薬』で新潮社文学賞、毎日出版文化賞、66年『沈黙』で谷崎潤一郎賞、80年『侍』で野間文芸賞、94年『深い河』で毎日芸術賞、95年文化勲章受章。96年、逝去。

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■書誌情報
書名:砂の上の太陽 遠藤周作初期短篇集
著者:遠藤周作
仕様:四六判/上製/216ページ
初版発売日:2023年 11月21日
定価:1980円(本体1800円)  ISBN:978-4-309-03153-8
装丁:鈴木成一デザイン室
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309031538/


□遠藤周作初期作品シリーズ
『秋のカテドラル 遠藤周作初期短篇集』(2021年10月刊)
1955年の芥川賞受賞直後の頃に発表された、単行本未収録の貴重な作品を収録。『海と毒薬』や『沈黙』につながる秘められた幻の短篇14作。瑞々しい筆致で描かれた、若き日の秀作!
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309029986/

『薔薇色の門 誘惑 遠藤周作初期中篇』(2021年11月刊)
単行本未収録の幻の中篇2篇を収録。代表作の一つ『わたしが・棄てた・女』にも繋がる秘められた重要作。冴え渡るエンターテインメントの世界!
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309030067/

『稔と仔犬 青いお城 遠藤周作初期童話』(2022年2月刊)
若き日に執筆された知られざる貴重な童話2作。『沈黙』構想の礎となった「稔と仔犬」は、まさに「踏み絵」を連想させる衝撃作。不明であった原稿の一部が発見され、ついに初単行本化!
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309030265/

『フランスの街の夜 遠藤周作初期エッセイ』(2022年11月刊)
フランス留学から帰国後、作家として歩み出した初期の貴重なエッセイ。フランスの思い出を描いた美しい表題作他、文学、宗教、狐狸庵ものから直筆漫画まで、本書でしか読めない垂涎の一冊!
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309030807/

『現代誘惑論 遠藤周作初期エッセイ』(2023年7月刊)
単行本未収録の幻のエッセイの中から、表題作他、恋愛論を中心に貴重な美しい作品の数々を収録。真の愛の姿を追求した、若き日の鮮やかな筆致が蘇る!
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309031187/

『ころび切支丹(キリシタン) 遠藤周作初期エッセイ』(2023年9月刊)
遠藤周作生誕100年企画。著者の原点となる信仰と文学について、初期の重厚な発掘原稿を収める。『沈黙』発表前の講演録「ころび切支丹」を併録。本シリーズでしか読めない貴重な作品集。
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309031323/

『人生を抱きしめる 遠藤周作初期エッセイ』(2023年10月刊)
遠藤周作生誕100年企画。著者の原点となる信仰を軸に、自由や孤独、苦しみについての見解より、真の人間の姿にせまる若き日の圧倒的作品の数々! 著者最初期の評論他、貴重な講演録も収録。
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309031446/

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