多様なリーダーシップと実行力を培う人材育成プログラム「BEYOND by ONE JAPAN」が目指す大企業のDEI実践とは

2023年11月21日(火)9時0分 PR TIMES STORY

大企業有志の実践コミュニティ ONE JAPANは、大企業のなかで自分らしくリーダーシップを発揮し企業を変革していく人材を育成するプログラム「BEYOND by ONE JAPAN(以下BEYOND)」を2022年度に立ち上げ、2023年10月には第二期がスタートしました。

2016年に施行された女性活躍推進法、えるぼし認定制度など制度化は進んでいますが、日本のジェンダー・ギャップ指数は未だに低い水準です。経済・政治分野での順位が低く、意思決定層の男女比、企業においては管理的職業従事者の女性比率が低いことが課題です。ONE JAPANはこの課題に対して当事者意識を持ち、各企業、社会を変革する一歩としてBEYONDを立ち上げました。

BEYONDの運営事務局はONE JAPANに加盟するそれぞれの企業で日々プレーヤー/リーダーとして働く社員です。なぜ自ら、プログラムを企画運営するのか、このプログラムによって何を成し遂げるのか、想いを聞きました。

メンバーが所属する企業での課題感や体験を共有、対話を繰り返し「自分らしいリーダーシップ」に辿り着く

講義のテーマやスケジュールを決める前にまず時間をかけたのは、事務局メンバーそれぞれがなぜBEYONDに参画したのか、自身がどんな悩みや課題を解決したいかで共有し、BEYOND全体の目的としてまとめることでした。それぞれの企業の課題感や実体験など、対話をしながら辿り着いたのが、プログラムのコンセプトである「自分らしいリーダーシップ」です。対話のなかで、リーダーとはこうあるべき、という固定観念がまだ企業の中や個人にあること、また、キャリアは何かを犠牲にしないときっと築けないと自分たちに無意識にバイアスをかけているのではないかと気づきました。こうしたマインドを変え、目指したいリーダー像をそれぞれが実現するプログラムを作ろうと決めました。

私たちが本当にありたい姿って何だろう、そしてどのように目指したいんだろう。それぞれの目標やこれまでの経験は違いますが共通していたのは、「女性の」「女性ならでは」ではなく個人、自分でありたいこと。そしてキャリアや目的を成し遂げるために何かを犠牲にしたくはない、ということ。当事者の本音から生まれたのが、プログラムのコピーとなるこの言葉でした。

多様性を尊重しながらも、まず女性へのアプローチに集中

受講対象を女性に限定することについても、実は長く議論しました。BEYONDが実現したいのは、多様性が認められる状態のなかで、自分らしいリーダーシップを考え、自信を持って実現できることです。しかし、受講生の属性を限定すれば当然、多様性は失われます。賛否両論、何度も話す中で、BEYONDは何を解決することを最優先にするのか改めて考え、最大のマイノリティである女性にまず集中してアプローチしようと決めました。BEYONDは受講生それぞれのリーダーシップを自ら具体化するプログラムであり、「女性らしい」「女性として」のリーダー像を定義するものではありません。

DEIの重要性は誰もが分かっているにも関わらず企業では何故進まないのか、ここもメンバーで意見を交わしました。ONE JAPAN加盟企業の中には先進的な制度があったり、制度利用が浸透している企業が多くあります。しかし、DEIは一丁目一番地の経営課題になっていない、企業が成長する礎となる事業戦略とは紐づいていなく、DEI施策が企業の中でどこか孤立していることがDEI推進が加速しない原因ではないか、と感じていました。社員一人ひとりが自分らしいリーダーシップを発揮できるためには、支援制度や人事施策が充実するだけでなく、事業活動、経営と紐づいていることが必要だと考えたのです。

この2つの視点からBEYONDは、自分らしさ・多様性を尊重したリーダーシップの開発とともに、経営の視野・視座で企業の課題を捉え解決策を考える、というコンセプトに決めました。自分らしい行動を「青年の主張」に留めず、企業の変革・成長のドライバーにしていくこと、そのためには企業の経営課題を経営層のレベルで理解・分析し、課題解決に向けて多様性を尊重したアプローチが必要だと考えたのです。

多様なリーダーシップと実行力を培うことを講義のゴールに

次に検討したのが講義の設計です。自分らしいリーダーシップ(Being)と経営課題の解決(Doing)を相互に検討するために、必要な知識、またマインドセットに必要なインプットについて議論しました。プログラムに必要だと考えた視点が大きく3つあります。DEIがなぜ企業には必要なのか論理的に理解できること。経営戦略や経営課題の捉え方、社会・企業のなかでのDEIの位置付けを理論的に理解することがまず必要です。次に、多様なリーダーシップを知ることと実行力を身に着けること。特に実行力、実践的であることが重要だと考えました。3つ目は「リーダーはこうでなければならない」という固定観念を取り払うこと。これは、自分らしいリーダー像を具体化していくために不可欠なプロセスだと考えました。そして多様なリーダーシップに触れることに特化したセッションを盛りこみました。講義の一つひとつに具体的な目的を決め、どんな方にお話しいただきたいか話し合っていきました。    

BEYOND受講生は、講義でのインプットをベースにDoing/Beingを個々に考えブラッシュアップしていきますが、行動に移し実現するためにはインプットだけではないサポートが必要だと考え、メンタリングを盛り込むことにしました。次に、誰がメンターになるか考えたとき、まずはキャリアの近い「先輩」が受講生に寄り添ったメンタリングを考えました。しかし、BEYONDでのメンタリングの目的は、多様なリーダーシップへの理解を深めることと、周囲を巻き込んで変革を実践するために視座を経営視点まで高めること。そう考えたときに、身近な先輩ではなく、経営課題に日々向き合っている経営層やリーダーのマインドを体感したいのではないかと思ったのです。そして、企業の経営層を中心にメンターをお願いしようと決めました。

講師やメンターの依頼をする際、実績が全くない私たちBEYONDが話せることは、プログラムを通じて企業そして社会を変革したいという決意でした。想いは強かったものの、DEI推進で著名な方や経営層に依頼するのは不安ばかりでした。しかし、私たちが実現したい世界、そしてプログラムへの想いにご賛同をいただき、講義やメンターをお引き受けいただくことが叶いました。

この方にお話しいただけたら最高!と私たちが思った方にお声がけしていましたから、承諾のお返事をいただく度に、事務局内では感動のコメントが飛び交い歓喜しました。

BEYONDで一歩踏み出してもらいたい 

ジャーナリスト 浜田敬子氏(BEYOND 第一期・二期 講師)

長年、企業内のダイバーシティやジェンダーギャップの解消の取材をしてきて感じるのは、必要だとわかっているけど、「進んでいない」「停滞している」という実態でした。世界の状況を見ていると、突出して女性のリーダーがいない日本に対しての危機感もありました。

経営層や上司層の男性たちの意識改革が必要なのはもちろんですが、女性たちにも今のギャップを生み出している社会構造や背景について学び、仲間とつながることで勇気を持ち、一歩を踏み出してもらいたい。その一歩が企業と社会を動かすのだと信じて、講師をお引き受けしました。

実際、2度の講師経験で感じたのは、参加者のポテンシャルと意欲の高さです。少しだけ背中を押すことで彼女たちの顔がみるみる変わっていくのです。同じ悩みを持つ他の企業の仲間とつながる場としてもBEYONDという場の可能性を強く信じています。

プログラムの様子(8回中 3〜4回はリアル開催)

こうして、私たちが理想とする講義内容と完璧な講師陣、そして錚々たるメンターが揃い、第一期がスタートしました。プログラム第1回目(Day1)には、受講者全員が輪になり、受講への想いをシェアしました。講義内容やメンタリングへの期待に加えて、コンセプトや目指す目標が他の研修とは違うと感じた、と言ってくれた受講生も多く、運営メンバーの想いが受講生に伝わっていたことがとても嬉しかったです。

しかし全てが順調ではなく、課題がはっきり見えたのはDay2でした。Day1から講師やモデレーターが受講生に問い続けたことは、「経営層を説得できる課題提起か」「issueは何か」でした。自らが設定した課題を経営者の視点を想定して問い直したとき、自分達が捉える課題感と大きなギャップがあると、受講生殆どが強く感じていることが聞かなくても伝わってきました。しかし、受講生の役職や年齢層には大きな幅があり、その難易度や種類も様々です。「経営課題ってどうやって見つけて、整理したらいいの?」という方から、「経営課題は整理できても、経営者をどう説得していくのか実行面で困っている」など幅があったのです。そんなとき、何人かの受講生が「経営課題の構造化について、勉強会をしたい!」や「ダークサイドスキルについて知りたい」と受講生全体に呼びかけました。そして、分科会のような活動がいくつかできました。自分には今どんなスキルが必要か考え、お互いを頼り、自主的に学ぶコミュニティが徐々に出来ていきました。

      受講生同志での対話から、学びを高めていく。

BEYOND一期生の声         

他にない取り組み方

経営課題を自分で設定し、自身の会社をどうしていくか、答えを出していく。BEYONDの取り組みそのものがまず特徴的だったと思って受講を決めました。女性視点で考えるプログラムは他にもありますが、こういったスタイルはないなと。

まず自分自身がどう考えているのかと、その解決策までを導き出すといった部分は、本当にとても貴重なプログラムだったと思っています。(金融大手 人事部門 課長代理)

次の10年を見据えたプログラム

浜田敬子さんから、ジェンダー不平等は人権問題だ、という問題提起もあったんです。今の日本で、これが人権問題だと腹落ちしている人は、まだ多くないと思います。

でも、例えば十年前はこんなに排出量取引がメジャーになると皆思っていなかったように、次の10年で変わっていく可能性は大いにあると思います。そうしたトレンドを風見鶏としていち早く気づかせてくれるプログラムがBEYONDだったと私は思います。(製造業大手 事業企画)

行動へのマインドセット

私のメンターは井上裕美さん(日本アイ・ビー・エム株式会社 取締役執行役員/日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社 代表取締役社長)でした。巻き込みについて悩んでいると伝えると、井上さんは「社内でD&Iを展開するとき、例えばD&Iに関係ないような男性や、一番遠い人をトップにするの。それで、その男性に注目が行くようになると、一番遠いところにいた人が味方になってくれるようになるんだよね」と話してくれました。メンタリングを受けるまで、したたかさというものに肯定的になれていなかったのですが、自分が「本当にやりたいこと」を実行するために、仲間に気持ちを強く持ってもらうために工夫をすべきだな、と勉強になりました。(IT大手 事業部門 管理職)

BEYOND by ONE JAPANは今、第二期がスタートし19名の受講生が自分らしいリーダーシップの実現と経営課題の解決、自社の変革に向けて走り出したところです。

ONE JAPANでは今後も、自社や周囲のDE&Iをもっと良くしたい、変えたいと思うリーダーやリーダーを目指す方を応援します。

BEYOND by ONE JAPAN ホームページ

https://onejapan.jp/beyond/

※第二期の募集は終了しています。

ONE JAPAN

ONE JAPANは大企業の若手・中堅社員を中心とした約50の企業内有志団体が集う実践コミュニティです。3つの軸、VALUE(事業開発を通した価値づくり)、PEOPLE(挑戦する場と仲間づくり)、CULTURE(発信と提言による社会的空気づくり)のアクションを通して大企業から日本に「挑戦の文化をつくる」活動を行っています。

https://onejapan.jp/


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