地震発生時に新幹線をさらに早く緊急停止させます~新幹線早期地震検知システムの改良~

2023年12月5日(火)19時46分 PR TIMES

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1.新幹線早期地震検知システムの概要
 新幹線早期地震検知システムは、各地震計で観測された地震動に基づき、地震計から変電所へ送電を停止させ、新幹線を緊急停止するものです(図-1)。
 本システムでは、観測される初期微動(以下、P波)と主要動(以下、S波)のそれぞれを用いることにより、緊急停止の早期化と多重化を図っています。また、新幹線開業以来、地震計の増設や気象庁の緊急地震速報および国立研究開発法人防災科学技術研究所の海底地震計といった社外地震情報の活用など、さまざまな改良を重ねてきました(図-2,参考)。
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 S波検知では、S波の振幅から列車を緊急停止させる仕組みとしていますが、S波よりも早く伝播するP波による検知方法は、観測したP波から地震諸元(震央距離、震央方位、地震規模(以下、マグニチュード))を推定し、推定したマグニチュードに応じた緊急停止範囲の新幹線をS波到達前に緊急停止させる仕組みとしています(図-3)。
[画像3: https://prtimes.jp/i/17557/731/resize/d17557-731-0e7fdaa6f648cea02a05-2.png ]


2.P波によるマグニチュード推定方法の見直し
 マグニチュードの推定には、鉄道総研の研究成果に基づく推定式を用いています。また、この推定式は、過去の地震で得られたP波の振幅、震央距離などとその際のマグニチュードから、統計的に求めています。
 マグニチュードはP波の振幅の大きさに比例することが知られていますが、P波全体でもその振幅は時々刻々と変化するために、1秒ごとにマグニチュードを推定しています。P波の振幅は時間とともに大きくなるのが一般的ですが、これまで推定式の係数は時間に関係なく一定としていました。今回、推定式の係数を1秒ごとの時間とともに変化させることにより、P波検知1秒後から4秒後の推定精度が今までよりも改善し、実際のマグニチュードにより近い値を、より早く推定することが可能となりました(図-4)。
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3.導入効果
 2022年3月16日に発生した福島県沖地震を受け今後の地震対策を検討する中で、過去3年間のP波検知により緊急停止した13地震において検証した結果、P波検知から送電停止までに要する時間が現行式の平均3.9秒から改良式では1.3秒と、平均2.6秒短縮できることがわかりました(図-5)。一例として、2022年3月16日に発生した福島県沖地震では、3.1秒の時間短縮となる結果を得ました。
 新幹線早期地震検知システムは、被害の最小化を目的に高速走行している新幹線を少しでも早く停止させるために改良を積み重ねてきました。今回の改良により、新幹線の地震対策は一層強化されます。
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4.使用開始予定
 使用開始は、2024年3月を予定しています。

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