コロナ禍で変化した婚活事情、容赦ない試練も…ピュアすぎる男性たちが見せる“勇気”

2024年2月4日(日)14時55分 マイナビニュース

●『ザ・ノンフィクション』2年ぶりに結婚相談所を取材
フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00〜 ※関東ローカル)で、4日に放送された『結婚したい彼と彼女の場合 〜令和の婚活漂流記2024〜 前編』。カリスマ婚活アドバイザー・植草美幸さんの結婚相談所に入会して婚活に奮闘する人々を追った作品で、11日には「後編」が放送される。
登場するのは、女性とのデート経験がない進藤さん(仮名・29)、親が不動産を多数所有するバツイチの内田さん(55)、仲睦まじいいとこ夫婦に憧れるゆかさん(仮名・28)の3人。この結婚相談所の取材を続ける八木里美ディレクターは、婚活に挑む人たちがコロナ禍を経て大きく変化したことを感じたという——。
○怒鳴りつけたり、説教したりする女性が増加
『ザ・ノンフィクション』では22年1月にも、植草さんの結婚相談所での婚活に密着したドキュメンタリーを放送。八木Dは、それから2年という時間を経て、婚活事情における様々な変化を感じたというが、その1つがコミュニケーション能力の低下だ。
「仕事の業種によってはコロナの3年間、全然外に出なかったとか、久しぶりに電車に乗ったという人も多くて、植草さんも基本的なマナーから教えるのに時間を割かれることが多くなったそうなんです。それと、怒りっぽい人が多くなり、相談所へのクレームが増えたという話もありました。アドバイザーを攻撃する人もいて、労働時間が伸びているそうです」(八木D、以下同)
前編では、進藤さんのお見合い相手が怒って途中退席してしまう場面も。これは珍しいケースだが、「“男性に失礼な態度を取られた”と相談所のスタッフを怒鳴りつけたり、お見合いで男性に説教をしたりする女性がコロナ以降増えているらしく、男性が怖がってしまうんです。かたや男性は、自分がどう見られているのか、相手が何を求めているのか分からない人が増えているそうで、人と対面しないことで、相手の立場に立ってものを考えることができなくなってきているようです」と、リモート生活が深刻な影響を与えていた。
さらに、時代の変化とともに、相手に求めるスペックの優先順位も変化。
「以前だと、男性は年収が重視され、エスコート力を身につけるためにみんな頑張って練習していたのですが、今は家事能力が求められるようになっていて驚きました。逆に、男性から女性に対しては“若い”、“かわいい”、“きれい”といった希望が定番だったのですが、年収や学歴も重要になってきているんです。社会不安が大きいので、男性一人で全て背負うのではなく、頼りがいのある女性が人気です。年齢が上でも大丈夫とか、子どもはマストではないという条件の人が増えていました」
○前編冒頭から後編ラストで内面・外見が大きく変化
前回は、恋愛経験のない女性・ミナミさん(仮名・当時30)を中心に追っていたが、今回は2人の男性も追っている。「婚活人口は女性のほうが多くて、頑張らなきゃいけないことも多いのでは」と思い込んでいたが、「全くそんなことはなかったです。男性も本当にいろんなことをやらなきゃいけなくて、苦労されて頑張っているのを見て、私も勉強になりました」と、密着取材で印象が変わった。
進藤さんは、前編の冒頭から後編のラストで、内面も外見も大きく変化。「本人もおっしゃっていたのですが、自分が他人にどう見られているかをあまり意識してこなかった方で、最初は“本当に大丈夫かな…”と心配していました。でも、植草さんの指導を受けてお見合いをすごく頑張って、少しずつ少しずつ話し方やその内容もステップアップしていき、女性と話しても緊張しなくなって、本当に変わりました」と感心する。
内田さんについても、「50代で再婚希望の人はたくさんいるそうなのですが、自分の人生経験もあるから植草さんの指導を素直に聞かずに否定する人も多いそうなんです。でも、内田さんはとにかく素直ですごく真面目。植草さんも“純朴な少年のよう”とおっしゃっていましたし、取材で一緒にいると、とぼけたことも言ってくるので、楽しかったです(笑)」と、その人柄に魅力を感じた。
●前回放送を見て取材快諾“自分を変えたい”
今回もミナミさんの時と同様に、応援しながらの密着取材になったが、ピュアすぎる彼らに婚活は容赦なく試練を与えていく。
お見合いで男性側が手応えを感じても、女性側が全く同調していなかったというパターンがたびたび登場したが、「女性からしたら、2人でいる時に“この人ないわ”と思っても、その場で表には出さず、最後はニコニコして“素敵ですね。ありがとうございました”って言うじゃないですか。女性にとって、相手を怒らせないように対処することは、自分を守るためでもあるのですが、ピュアな男性からしたら、それじゃ女性の本心が分からないですよね」と同情し、「女性は言ってることが全部本音じゃないですからね」とアドバイスもしていたそうだ。
この男性2人は、前回放送のミナミさんの婚活を見て勇気をもらい、植草さんの結婚相談所に入会したそうで、「番組で伝えたい思いが届いた人がいることを知って、それはうれしかったです」と、制作者冥利に尽きることがあった。
婚活という極めてプライバシーに関わることである上、自分が女性にフラれるという見せたくない姿も含めてさらけ出してくれるのは、“『ザ・ノンフィクション』に出ることで自分を変えたい”という危機感もあったようだ。
○自分を磨けば絶対にチャンスはある
前編の最後に流れた次回予告では、ゆかさんが資産家の男性とうまくいきそうな予感を見せるが、整形について問われることに。内田さんも、理想の女性が現れたと思いきや、事態は予想もしない方向へ。そして、こちらも理想の女性と巡り合った進藤さんだが、頭を抱える姿が…。
八木Dは「後編はデートを重ねたり、“真剣交際”という大きな目標があったりして、三者三様でアクセルをかけていく中で、それぞれに課題が出てきます。それを一つ一つ解決して成長しながら先を目指して頑張る姿を、ぜひ応援してほしいです」と呼びかける。
また、3人の姿を見て、「どんなに苦手なことであったとしても、諦める必要はないんだと思いました。結婚願望がありながら“もういいかな…”と諦めている方もたくさんいると思うのですが、自分を磨いて変わっていけば、絶対にチャンスはあるんだと感じていただけると思います」と力説。厳しい現実に直面し、何度打たれても立ち上がって次に挑み続ける彼らからは、婚活に関してのみならず“勇気”をもらうことができるはずだ。
●八木里美1977年生まれ、東京都出身。学習院大学卒業後、青森朝日放送でニュースキャスター・記者・ディレクターとして取材現場に従事し、テレビ朝日『スーパーJチャンネル』を経て、04年にバンエイト入社。フジテレビ報道局で『スーパーニュース』を担当し、11年からは制作部でドキュメンタリー番組などを制作。『ザ・ノンフィクション』では、『愛はみえる〜全盲夫婦の“たからもの”〜』『わ・す・れ・な・い 明日に向かって〜運命の少年〜』『私、生きてもいいですか 〜心臓移植を待つ夫婦の1000日〜』『わすれない 僕らが歩んだ震災の10年』『泣かないでアコーディオン 〜シングルマザーの大道芸人〜』なども担当し、11年間にわたって取材した『熱血和尚』シリーズでは、「第36回ATP賞」グランプリ、「2020年日本民間放送連盟賞」テレビ教養番組部門・最優秀賞、「第57回ギャラクシー賞」奨励賞、「ニューヨークフェスティバル2020」ドキュメンタリー宗教/哲学部門・銀賞&国連グローバルコミュニケーション賞・銅賞と、国内外で数々の賞を受賞した。現在はほかにも、『フューチャーランナーズ〜17の未来〜』『街角パレット〜未来へのたからもの〜』(フジ)で総合演出を務める。

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