落ち着いて!中部“助っ人”の慌てた手つきに藤井聡太竜王・名人も笑顔 救世主の仕事人ぶりにファン絶賛/将棋・ABEMA地域対抗戦
2025年2月10日(月)7時15分 ABEMA TIMES
緊急招集された“助っ人”の慌てぶりに、思わず最強棋士の表情も緩んだ。日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 2025」、予選Bリーグ1回戦・第1試合、関東A 対 中部が2月7日に放送された。第3局、中部は体調不良の澤田真吾七段(33)に代わり、宮嶋健太四段(25)が出場。大会初出場ということもあってか、駒が手につかない様子に藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)が微笑むシーンがあった。
宮嶋四段は2023年10月にプロデビュー。藤井竜王・名人とは修行時代からの仲間として知られ“棋士の中で一番の親友”とも呼ばれる存在。藤井竜王・名人が奨励会に入った2012年からの付き合いで、その後は研究会などで交流を深めてきた。
澤田七段の代役として招集された宮嶋四段は、第3局で関東A・黒沢怜生六段(32)と対戦。先手番から居飛車・左美濃で構えると、黒沢六段は中飛車・穴熊で、戦前の予想通り対抗形でスタートした。開局早々、少し落ち着きがない宮嶋四段の様子に、藤井竜王・名人は「席についてから、水を注ぐのが手筋だったかと」とコメント。地域対抗戦では、普段の対局と異なり、事前に駒が盤の上に並んでいることから、いつもとリズムが違うために、コップに水を注いで気持ちを落ち着ける棋士が多いと指摘すると、青嶋未来六段(29)も「その手筋を教えておくんだったな」と笑った。
さらに宮嶋四段が慌てたのが、初勝利のチャンスを迎えた終盤だ。黒沢陣の穴熊を切り崩そうと上部から攻め立てた111手目、▲9三歩成と桂馬を取り込んだところ、その桂馬を駒台に置く手つきがおぼつかない。台上を計4枚の駒が踊る中、チェスクロックを止めていなかったため、貴重な持ち時間が1秒、また1秒と減っていた。これを見た藤井竜王・名人は「ちょっと…」と微笑む場面も。監督を務める杉本昌隆九段(56)も「とりあえず(クロックのボタンを)押してから駒を戻しなさい。そんな丁寧にしなくていいんだから」とボヤいていた。
ドタバタした宮嶋四段ではあったが、対局では端攻めが刺さり、黒沢六段の反撃もしのいでうれしい初勝利。ファンからは「落ち着いて!」「焦ってる」「ウケてる」「聡太爆笑」と、宮嶋四段と藤井竜王・名人に対して、数多くのコメントが寄せられていた。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合は監督と出場登録棋士4人の計5人が参加。全員が1局ずつ指す「ステージ1」と、ステージ1で勝った棋士が負けるまで指し続ける「ステージ2」に分かれ、5人を先に倒した方が勝利チームとなる。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)