のん、藤ヶ谷太輔の“無言の芝居”に感じた凄み アクションシーンの裏側も明かす「心強かった」
2025年3月1日(土)8時0分 マイナビニュース
●アクション初挑戦で「センスがいい」と褒められ喜び
演技のみならず、音楽、映画製作、アートと幅広く活躍している女優・のん。DMM TVオリジナルドラマ『幸せカナコの殺し屋生活』(2月28日独占配信スタート)では、ブラック企業のOLから殺し屋に転身する主人公・西野カナコを演じ、アクションに初挑戦した。のんにインタビューし、アクションシーンの裏話や相棒・桜井役を演じた藤ヶ谷太輔(Kis-My-Ft2)との共演について話を聞いた。
若林稔弥氏による同名の4コママンガを実写化。上司からのパワハラに耐え切れずブラック企業を退職した西野カナコは、待遇の良さに惹かれて殺し屋に転職し、隠れた才能を開花させて凄腕の殺し屋へと成長していく。奇想天外な主人公・カナコをのんが演じ、不愛想で基本「殺すぞ」しか言わないが、常にカナコを見守る殺し屋の相棒・桜井役を藤ヶ谷が演じた。
——アクションに初挑戦されましたが、この作品が決まる前から続けている運動はありますか?
20歳過ぎてからバレエを始めて、週1〜2回くらいやっています。
——バレエを始めたきっかけを教えてください。
バレエをやっている友達ができて、その子に教えてもらうところから始めて、今は違う先生に教わっていますが、すごく自分に合っていたみたいで続けています。
——バレエ経験もアクションにプラスになりそうですが、いかがでしたか?
生きています。腕の伸ばし方や体の使い方、自分の細部がどう動くのかというのをバレエであらかじめ把握できていたからやり切れた部分は大きいと思います。
——バレエに加え、本作に向けてどんなトレーニングをされたのでしょうか。
撮影の半年前頃から週1くらいでピラティスをやって、インナーマッスルを鍛えて自分の軸を作るようにトレーニングしました。そして、撮影の2カ月前からアクション練習を本格的にやって、それぞれのシーンのアクションを練習しました。
——練習の成果を発揮し、本番でキレキレのアクションを披露されています。
皆さんから「センスがいい」「筋がいい」「向いている」と言ってもらえてうれしかったです!
——アクションのやりがいを特に感じた瞬間がありましたら教えてください。
カナコが覚醒するシーンがあるんですけど、そのシーンはめちゃくちゃかっこよかったです。蹴散らしました(笑)
——演じていて快感が!?
撮影しているときは大変なんです。猛暑の中で暗殺者のフル装備でやっていたので。倉庫などで撮影していて、その中でたくさんの人たちが動き回るので、茹で上がってしまって大変でしたが、アクションチームの皆さんや藤ヶ谷先輩と、気を引き締めながらみんなで頑張って、かっこよく撮れました!
——大変だからこそ達成感がありそうですね。
達成感はすごかったですね。私がオールアップしたときにアクションチームの皆さんがお菓子にメッセージを書いてくれて、それもすごくうれしくて。そのお菓子の袋をずっと飾っています。
——どんなメッセージが書かれていたのでしょうか。
「のんさんとやれてとてもうれしかったです。これからもアクションを続けてください」と書いてくださって。これからもアクションに挑戦していきたいと思います!
——クランクアップ後、アクション練習など続けていることはありますか?
家で基礎練は続けていて、パンチやキックの反復練習をしています。基礎練をやっていると太らないので、ダイエットのためにやっています(笑)
——いつアクション作品のオファーが来ても大丈夫そうですね。
おそらく!(笑)
●藤ヶ谷太輔に「ぜひアクション俳優になってほしい」
——桜井役の藤ヶ谷さんとの共演の感想もお聞かせください。
めちゃくちゃ楽しかったです。「殺すぞ」というセリフと「……」を巧みに表現されていて素晴らしいですよね。無言のお芝居でも、佇まいだったり、視線の動きや所作でリアクションを細やかに表現されていて、コミカルなところでもシリアスなところでもかっこよくて、すごいなと。キャラクターを目立たせるのはセリフだけではないと改めて思いました。
——藤ヶ谷さんのアクションもキレキレでしたね。
本当にかっこよくてすごかったです。私もかなり頑張ったんですけど、途中経過の練習動画をのぞき見させてもらったときに、「こんなすごいことやってるの!?」とびっくりしてしまって。本番でも完璧に発揮されていて、ぜひアクション俳優になってほしいなと思いました。
——のんさんもアクションのセンスがあると褒められたということですし、お二人ともアクション俳優に!?
アクション俳優が2人誕生しましたね(笑)
——藤ヶ谷さんとシーンについて事前に話し合うことはあったのでしょうか。
英(勉)監督がつぶさに演出してくださる方だったので、3人でここはこうかなというのを意識共有したりしていました。
——藤ヶ谷さんから言われた言葉で、印象残っていることはありますか?
神社でのシーンがあるんですけど、「俺、『……』のところでリアクションとかちゃんと入れ込んでいるから見逃さないで」みたいなことを英監督におっしゃっていて、「そりゃそうだよな!」と。「……」は一番難しいと思うんですけど、本当に素敵に表現されていました。
——セリフなしでの演技に凄みを感じられたんですね。
そうですね。あと、アクションシーンで藤ヶ谷先輩とタッグを組みながら戦ったり、一緒に転がったりするときに、ケガさせてしまったらどうしようってちょっと思い悩んでいたんですけど、「気にしないでどんどんガッツリやってね」みたいな感じでフランクに言ってくださって、すごくほっとしましたし、心強かったです。
——お二人ともケガすることなく無事に撮影を終えられてよかったです。
その頃、藤ヶ谷先輩はコンサートをされていたので、ステージに立てなくなったらどうしようと思って緊張していたんですけど、大成功してよかったです!
■のん
1993年7月13日生まれ、兵庫県出身。2006年に雑誌『ニコラ』のオーディションでグランプリを獲得し、芸能界デビュー。2010年に映画『告白』で女優デビュー。2013年にNHK連続テレビ小説『あまちゃん』でヒロインを演じ注目を集める。2016年7月、前所属事務所退所を機に本名から「のん」に改名。2019年にYouTubeオリジナル作品『おちをつけなんせ』で監督デビューし、2022年には初の劇場映画監督作『Ribbon』が公開。主演映画『さかなのこ』(2022)で第46回日本アカデミー賞優秀主演女優賞、2024年には第16回伊丹十三賞を受賞。音楽やアートの世界でも活躍している。
ヘアメイク:森香織 スタイリスト:町野泉美 衣装:トップス、パンツ/ともにYOHEI OHNO、アクセサリー、シューズ/スタイリスト私物