因縁のモビルスーツに私が乗るのか…「機動戦士Zガンダム」クワトロ=シャアがたった一度だけ“ガンダム”に搭乗した瞬間

2025年4月7日(月)21時30分 ABEMA TIMES

 かつてシャア・アズナブルとして地球連邦軍と戦っていた男にとって、“ガンダム”という名のモビルスーツは宿敵であり、越えるべき壁だった。それだけにアニメ「機動戦士Zガンダム」第5話でクワトロ=シャアがガンダムMk-IIに搭乗するシーンは、ファンの間でも特別視されるものだった。

【映像】ガンダムMk-IIに搭乗するクワトロ(7分43秒ごろ〜)

 この回では、クワトロ・バジーナ(CV:池田秀一)の愛機リック・ディアスが、カミーユ・ビダンの父であるフランクリン・ビダンによって奪われるというアクシデントが発生。フランクリンを追いかけるための代わりの機体として、クワトロはティターンズから奪取したファーストガンダムと同じカラーリングになったガンダムMk-IIに乗って出撃することになった。

 機体性能に不満はまったくなく、出撃直後にクワトロは「ガンダムMk-IIの加速性能は抜群だ」と認める。しかし、一緒にフランクリンを追うアポリー(CV:阿部健太、現・柴本浩行)が「リック・ディアスのほうにプライドを感じます」と言った瞬間、彼は迷うことなく「当たり前だ!」と即答した。クワトロの“ガンダム”に対する複雑な感情が垣間見えるやり取りだった。

 シャアがこれまで搭乗してきた機体はシャア専用ザク、ズゴック、ゲルググなど、いずれも「ガンダム」とは対極の存在であり、自らの信念や美学を宿した“反連邦の象徴”だった。だからこそ、ガンダムに乗るという行為は、たとえ味方陣営の機体だろうと簡単には割り切れない思いがあったのだろう。

 リック・ディアスも、後の愛機となる百式も、設計的には“ガンダム系”に近い高性能機だが、“ガンダム”の名は冠していない。彼がガンダムMk-IIに乗ったのは、この回ただ1度きりだ。敵として否定し続けてきた“ガンダム”に乗るという行為は、彼にとって大きな葛藤だったに違いない。

 だが同時に、口では何も語らないが彼の言動の端々には“ガンダム”という機体に対して一目置いた感情がにじんでいるようにも見える。過去の敵を受け入れ、戦力として認めたという意味で、ひとつの“歩み寄り”だったとも言えるだろう。戦いの中でかつての敵の力を認めざるを得なくなったクワトロ(シャア)の複雑な表情は、ひときわ印象に残るシーンだ。

 アニメ「機動戦士Zガンダム」は1985年3月から1986年2月まで放送されたサンライズ制作のロボットアニメで、「機動戦士ガンダム」の一年戦争から7年後を描いた続編。「ガンプラ」ブームも生まれた。ガンダムシリーズや、スピンオフなどの派生作品も多数制作され、現在も高い人気を誇る。

(C)創通・サンライズ

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