広瀬すず、杉咲花、清原果耶共演の話題作『片思い世界』は坂元裕二が彼女たちを綴った物語?横浜流星の好演にもご注目!

2025年4月9日(水)10時45分 Pouch[ポーチ]

【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、本音レビューをします。


今回ピックアップするのは、広瀬すずさん、清原果耶さん、杉咲花さんの共演作品『片思い世界』(2025年4月4日公開)です。脚本は坂元裕二さん、演出は土井裕泰監督という『花束みたいな恋をした』のコンビなので、ハードル上げて試写を見たのですが、軽々超えてきましたよ!

では、物語から。

【物語】
美咲(広瀬すずさん)、優花(杉咲花さん)、さくら(清原家やさん)は、仲良し3人組。3人で古い一軒家で暮らし、それぞれ学校行ったり、仕事をしたり、自分の時間を過ごしつつ、帰宅したら3人でごはんを食べながらおしゃべりをする。そんな毎日を送っていました。

彼女たちは12年前、ある出来事をきっかけに強い絆で結ばれていたのです。その出来事とは……。

【3人娘の “秘密” が物語をリードしていく】
『片思い世界』というタイトルから「3人の女性の恋愛模様が描かれるのか」と思っていたのですが、恋愛だけではない、もっと大きな愛の物語でした。

美咲はバスで見かける青年(横浜流星さん)を気にかけており、優花はお母さん(西田尚美さん)のことが心配で仕方ありません。そしてさくらは「どうしても知りたいこと」があります。

3人はその “想い” を共有しているし、協力もしていますが、進展はゼロ。なぜか……その ”秘密” は中盤くらいに明らかになります。

【“秘密” の先にあるドラマが切ない】
3人の行動を追っていくうちに「もしかして…」と気づく人もいるかもしれません。とはいえ、その “秘密” に気づいても「どうするの?どうやって、その想いを届けるの?」と、気になって仕方がなくなるのです。

物語は二重三重に練られているのですが、3人の気持ちはまっすぐです。美咲も優花も思いを伝えたい。さくらはわからないことをそのままにしたくない……それだけなんです。でもその思いがなかなか届かないから、見ているこちらも胸がキュッとなるんです。

【坂元裕二さんが希望した3人の俳優】
この映画は、広瀬すずさん、杉咲花さん、清原果耶さんの共演がミラクルだし、大勝利ですね。

役にぴったりで「あて書き?」と思ったら、脚本の坂元裕二さんが公式コメントで

「『花束みたいな恋をした』が公開されて1年経ったとき “広瀬すずさん、杉咲花さん、清原果耶さんでお話を作れないか” と考えたんです」

と語っており、やはり彼女たちをイメージして綴った物語だと納得しました。

その大きな期待に応えた3人、素晴らしかった。役を的確に掴みつつも自然で可愛くて。古い一軒家での3人の生活。部屋のインテリアも良かったし、楽しそうにごはんを食べたり、3人くっついて寝たり、可愛いって無敵! ソフィア・コッポラ監督の描く少女たちほどガーリーではないけど、イメージは近かったかなと思います。

【横浜流星が地味に好演】
ちなみに、美咲が思いを寄せる青年を演じる横浜流星さんも良かったです。常に全力演技で圧倒的な存在感を放つ俳優ですが、この映画では常にうつむいていて「僕のこと見ないでください…」というような地味さ。でもこれにも理由があるんですよ〜。

12年間、彼が抱えていた苦しみが明らかになったとき、美咲が彼を思う理由もわかる。これが本当に切ない……。早く真実を知って楽になって、と言いたくなりました。

可愛い世界が見たい、ちょっと切ない映画でキュンとしたい人にオススメの『片思い世界』。映像も綺麗なのでぜひ劇場でご覧ください!

執筆:斎藤 香(C)Pouch

『片思い世界』
2025年4月4日(金)より、全国ロードショー
脚本:坂元裕二
監督:土井裕泰
出演:広瀬すず 杉咲花 清原果耶/横浜流星/小野花梨 伊島空 moonriders 田口トモロヲ 西田尚美
(C)2025『片思い世界』製作委員会

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