重音テト×初音ミクの高速ボカロ曲『ニャルラト』中毒性ある電波系サウンドに「やばすぎる」の声
2025年4月21日(月)15時0分 ニコニコニュース
今回は、藤原ハガネさんが2月22日に投稿した「ニャルラト」を紹介する。
文/小町 碧音(こまち みお)
彼の作品「ふぁんぶる!」をはじめ、イラストレーター・残響室氏が描く、画面中央に堂々と佇む重音テトをフィーチャーしたビジュアルが、藤原ハガネ氏の作風を決定づけたと言ってもいいだろう。
黄色をベースとした「ふぁんぶる!」、紫色をベースとした「マンチキン」。派手な色彩とインパクトのあるシンセサウンドで構成されたこれまでのテトシリーズ作品に、本作も関連しているのがポイント。
ここではツインボーカル体制となり、初音ミクが新たに登場した。『ボカコレ2025冬』のTOP100ランキングでは14位にランクインしていることからも、その中毒性の高さがうかがえる。
曲名にもある「ニャルラト」とは、クトゥルフ神話の邪神ニャルラトホテプの略称。歌詞に登場する<SAN値>もクトゥルフ神話由来の用語であり、作品自体がクトゥルフ神話をベースにしていることがわかるだろう。
2chのアスキーアートをはじめとするネットミームが散りばめられたMVと、スラングを多用した歌詞も「ふぁんぶる!」から続くこのシリーズの特徴だ。高速に畳み掛ける電波系サウンドが表現しているのは、切迫感や精神の不安定さ。
テトとミクのリズミカルなダンスは、この高速BPMと連動し、視覚的にも聴覚的にも感覚を麻痺させるほどの強烈なインパクトがある。
特にサビでは、赤を基調とした背景の中、狂気を孕んだテトの表情と、<やられた分を返すこの欲望 オマエが忘れても消えないぞ!><マジぶっ壊れてるからタヒねないで〜すw 残念(笑)>という皮肉の効いた歌詞がニャルラトホテプの混沌を背景にすることで、より破壊的なメッセージに変わっている。
サムネイルからも危険信号が感じられる、狂騒的な世界観だ。
万華鏡が映し出されるシーンでは、アラビアンなメロディーが使用された後の、カラフルな文字で彩られた「宣戦布告(こんにちわ)ですわ」というフレーズが、何色にも変わることのできるニャルラトホテプの姿を象徴しているかのようにも思えてくる。
このように、イラストと音楽が切っても切れない関係性を築いているなかで楽曲のテーマを明確に浮かび上がらせているのも、この作品の魅力と言える。
テトとミクが音ゲーバトルで対戦する2番。その背景に流れるのは運動会の定番曲「クシコス・ポスト」。
楽曲の高速BPMにスリルを増幅させる最高のアクセントになっている。
皮肉が伝わる歌詞でありながらも、ネットミームの軽妙さがうまい具合にバランスをとり、聴き手にとって心地よいカオスを生み出していると感じた。
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