片岡が8年ぶり自身2度目のポール。初音ミクAMG、強豪不振のアタック合戦を制す【GT300予選レポート】
2025年4月12日(土)18時25分 AUTOSPORT web

4月12日、岡山県の岡山国際サーキットにて、2025年スーパーGT開幕戦『OKAYAMA GT 300km RACE』の公式予選が行われ、GT300クラスは4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)がポールポジションを獲得した。
いよいよ幕が開けた2025年スーパーGT。開幕の地、岡山で行われた事前の公式テストでは冷え込んだなかで雨が降り、第1戦に向けた準備がなかなか進まないオフとなったが、予選日は晴れに恵まれ、気温23度、路面温度31度という暖かいコンディションとなった。
今シーズンの予選は、昨季2024年に導入されたタイム合算方式が変更され、2023年シーズンまでのノックアウト方式へと戻されることとなった。その代わり、Q2へ進出することができる台数がグループA、グループB各8台からそれぞれ9台ずつに変更されれている。
■Q1:強豪がまさかのノックアウト。新規チームは初戦から好調
10分間のQ1グループAは定刻14時よりスタート。午前中の公式練習よりも温かいコンディションのなか、各車はアウトラップを含めて2〜3周のウォームアップを進めていく。
いざアタックラップに入ると、新規参戦チームとなるCARGUY MKS RACINGの7号車CARGUY Ferrari 296 GT3が、ザック・オサリバンのドライブでタイヤを縁石外側へ落とすシーンがありながらも、暫定トップタイムを刻んでみせた。
その後、18号車UPGARAGE AMG GT3の小林崇志や4号車グッドスマイル 初音ミク AMGを駆る谷口信輝といったベテラン勢がベストを塗り替えて次々と上位へ。しかし、最後にアタックを終えて首位を奪ったのは6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIの片山義章。地元岡山での初ポール獲得へ向け、まずはQ1グループAを制した。
一方、2023年、2024年とタイトル争いを演じてきた2号車HYPER WATER INGING GR86 GTの平良響がまさかの11番手となり、ここでノックアウト。このQ1A組では、2号車のほかに48号車脱毛ケーズフロンティアGO&FUN猫猫GT-R、62号車HELM MOTORSPORTS、87号車METALIVE S Lamborghini GT3、30号車apr GR86 GTが予選を終えている。
続くQ1グループBでは、さらにタイムが伸びる展開に。さらに、ヨコハマタイヤの一強再現とはならず、65号車LEON PYRAMID AMGの菅波冬悟が移籍初年度ながら1分25秒台に突入するアタックでトップに立ち、2番手には52号車Green Brave GR Supra GTの野中誠太が続くなど、ブリヂストンタイヤユーザーがワン・ツー体制を築く。
その後方には、今季よりダンロップタイヤを使用する45号車PONOS FERRARI 296のケイ・コッツォリーノが入り、グループAに続いてフェラーリ296 GT3のスピードが光る。さらに4番手に続いた777号車D’station Vantage GT3のチャーリー・ファグは、ボンネットが外れかかった状態ながらも好タイムを刻んで難を逃れた。
Q1グループBで予選を終えたのは、96号車K-tunes RC F GT3、26号車ANEST IWATA RC F GT3、360号車RUNUP RIVAUX GT-R、22号車アールキューズ AMG GT3、25HOPPY Schatz GR Supra GTとなる。
■Q2:Q1から大幅タイム更新。連続アタックで逆転ポール掴む
10分間のQ2が始まる頃には、空の雲が増え、少し涼しげな風も吹くようになった。そして、ノックアウト方式へと戻った今年の予選では、Q1とQ2でそれぞれニュータイヤを投入できるようレギュレーションが変更されている。
まず最初にアタックに入ったのは、公式練習でトップに立っていた61号車SUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝。Q1での自己ベストを大きく上回る1分24秒579をマークして暫定トップへ。Q1グループBの上位勢が1分25秒台であったなかで1秒以上の更新となり、他を圧倒する驚速タイムが刻まれたかと思われたが、そこへ777号車アストンマーティン・バンテージAMR LMGT3の藤井誠暢が0.043秒差でトップタイムを更新した。
ダンロップタイヤ勢がまずはワン・ツー体制となり、4号車グッドスマイル 初音ミク AMGの片岡龍也、65号車LEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥とメルセデスAMGが2列目の位置に続く。
その後も連続でアタックが続き、D’stationがセクターベストをつなげながら攻めたもののタイム更新はならず。その隙に、アタック2ラップ目で気迫を増した初音ミク AMGが唯一のタイム更新を果たし、全体のトップに立った。
その一方、LEON AMGや、Q1グループAトップだったUNI-ROBO FERRARIのロベルト・メリ・ムンタンは、最後のアタックで4、5番手からタイムを上げられず。これで4号車初音ミク AMGの逆転ポールが決まった。
GOODSMILE RACING & TeamUKYOとしてのポールポジション獲得は、2023年第4戦の富士以来となり、片岡にとっては2017年第8戦もてぎ以来8年ぶり、自身2度目の予選最速となった。2番手は777号車Vantage、3番手は61号車SUBARU BRZとなっている。また、Q1グループAで敗退を喫した2号車HYPER WATER GR86は22番グリッドとなり、王者0号車VENTENY Lamborghini GT3はQ2で上位勢に遅れて15番手と沈んだ。
明日13日(日)に82周で争われる決勝は、13時10分からスタートする予定だ。