2回の脳卒中で車椅子生活に。国内の遠出やカナダ旅行が自信になり、認知症の姉と最後に再会できた

2024年4月22日(月)12時30分 婦人公論.jp


もっと遠くにも行けるのではないかと、夢は大きく夫と娘の家族3人での海外旅行を計画することに……(写真はイメージ。写真提供:photoAC)

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車椅子でどこまでも


私は80歳の開業助産師です。2020年に2回目の脳卒中を発症し、それからリハビリを続けてきましたが、車椅子が手放せない生活に。

23年3月に、娘の結婚相手とそのご家族との食事会が東京のホテルで開かれました。私は自宅のある滋賀県から、夫とともに車椅子で初めての遠出に挑戦。無事東京まで行くことができたのは、大きな自信となりました。

もしかしたらもっと遠くにも行けるのではないかと思い、夢は大きく夫と娘の家族3人での海外旅行を計画することにしたのです。

少し前に逝った恩人のご家族がカナダに住んでいるので、お会いしたいと考えました。夫は、どうせカナダに行くのだったらカナディアンロッキーへ行きたいと言うのですが、ちょうど山火事があった時期だったので、私はあまり気が進みませんでした。しかし夫の強い意志に負け、ロッキーにも行くことに。

無事にカナダへ到着。なんと素晴らしい自然でしょう。ロッキーも行ってよかった。娘に車椅子を押してもらい、なんの不便も不安もなく旅行ができたことも、大きな喜びです。今までいろいろ海外旅行をしましたが、一番素晴らしい経験となりました。

カナダから帰った後、東京の老人ホームに入所している、95歳になる認知症の姉に会いに行く決心をしました。

最後に会ったのは5年前。車椅子で外国まで行けたことが私の自信になり、今度は生きている間に姉に会いたいと思うようになったのです。

夫と新幹線で滋賀から東京の娘の家に行き、娘の家から老人ホームまで約2時間の道のりは、甥が車で送ってくれました。車椅子では初めての対面。姉は私が妹であることがわからないようでしたが、黙って手をさすり、再会の喜びをかみしめました。

訪問した日の翌月、姉は突然の呼吸困難で逝去。最期に姉の温かい手を握ることができて本当によかった。

お姉さん、ありがとうございました。

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