斎藤八段 昼休前に53分の長考 叡王戦第3局は空中戦へ 伊藤叡王と相掛かりシリーズ
2025年5月4日(日)12時50分 スポーツニッポン
将棋の伊藤匠叡王(22)に斎藤慎太郎八段(32)が挑む第10期叡王戦5番勝負は4日午前10時、名古屋市の料亭「か茂免」で第3局が始まった。伊藤の先手で戦型は相掛かりへ進んだ。
1勝1敗で迎え、第3局を制した棋士が先に王手をかける重要対局。今期は3局連続の相掛かりで「相掛かりシリーズ」となった。
第7期以降、5番勝負では戦型が結果的に固定されてきた。藤井聡太叡王に出口若武六段が挑んだ第7期は相掛かり、藤井に菅井竜也八段が挑んだ第8期は三間飛車、藤井に伊藤が挑んだ前期は角換わり。1日制4時間のチェスクロック方式という8タイトル戦中、最も時間消費が早くなりがちな対局規定の影響だろうか。理解度の高い得意戦法をぶつけ合ってきた。
「(第2局の勝利で)改めて3番勝負になって、第3局は非常に大きな一番と感じている。主導権を握って指すことができれば」。前日会見で語った伊藤に対し、斎藤は「第2局は自分のよくない部分が出て決断よく指すことが大切だと再認識できた。思い切ってやっていきたい」。30手目、6筋の歩を突いて陣形を進展させると、伊藤から7筋の歩の突き出された。持ち時間の4分の1近い53分を使い、飛車で取った。さらに34手目、その飛車を3筋へ旋回させ、両者の飛車が中段で接近し合う空中戦へ進んだ。
午前12時半からの昼食休憩までに34手進み、伊藤は57分、斎藤は1時間31分消費した。昼食メニューは両者、名物ぽんきし膳。対局は午後1時半再開。