「お尻はビクビクッと震えていた」リンパ汁も出てきて…全身にタトゥーを入れた女性(33)が明かす、タトゥーを入れた意外な理由――2024年読まれた記事

2025年5月6日(火)12時0分 文春オンライン


2024年、文春オンラインで反響の大きかった記事を発表します。インフルエンサー部門の第3位は、こちら!(初公開日 2024/08/03)。



*  *  *


 全身に入れたタトゥーの写真が話題となり、Instagramで注目を集めたモデルの游姫さん(ゆき・33)。タトゥーモデルやタトゥーコンテスト、エステティシャンなど幅広い分野で活動している。


 そんな游姫さんに、タトゥーを入れたきっかけや入れてからの心境などについて聞いた。(全2回の1回目/ 続きを読む )



游姫さん ©︎文藝春秋


◆◆◆


彫り師さんのデザインに惹かれて入れた「甲羅彫り」


——まずはタトゥーを入れたきっかけを教えていただけますか。


游姫 今の彫り師さんに出会ったのが20歳の時だったんですが、その方のデザインがとても綺麗だったのに惹かれて。


 それまでもタトゥーの雑誌を読んだことはあったんですが、タトゥーを入れたいと思うことはなくて。その彫り師さんの絵がきっかけで自分も入れたいと思いました。


——最初に入れたのはどの部分でしたか。


游姫 背中と太ももに入れました。モナリザの絵を買うみたいな感覚で、背中に絵が欲しいなと思って。でも、彫り師さんから「背中だけだと絵が小さくなるよ」と言われて。


 甲羅彫りと言って、背中から太ももにかけて1枚の大きな絵を描いていく彫り方があるんですけど、それをお願いしました。


——どんな絵を入れたんですか。


游姫 太ももに大きな牡丹の花を入れて、背中一面には、平将門の娘といわれる伝説上の女性、滝夜叉姫を入れました。“強い女性でありたい”という思いもあったので、そういった意味を込めて。


——甲羅彫りが完成するまでにどのくらいの時間がかかりましたか。


游姫 多分5年くらいだと思います。毎月2回通っていました。夏は海によく行くんですけど、塩水で傷口が膿んじゃうこともあって、海に行く前は入れられないんです。夏の期間はあまり入れていなかったのもあって、結構時間がかかりました。


「意味がわからないくらい痛かった」


——痛みはどうでしたか。


游姫 意味がわからないくらい痛かったです。彫られている時はどこも痛いんですけど、特に尾てい骨付近がすごく痛くて。お尻は勝手にずっと震えていました。ビクビクッて。汗もすごいですし、痛みも続くのでかなり大変ですね。


 でも、前側のタトゥーを入れ始めた時に、悶絶するくらい痛かったんです。背中も痛かったんですけど、それを軽く超えてきて。彫ってる最中は、リンパ汁がすごく出てきます。サラサラの液体がずっと出てきて。


——施術に行く前は覚悟が必要ですね。料金はどのくらいだったんですか。


游姫 私の場合は、300万〜500万円くらいかかった気がします。その都度払っていたので、詳しくは覚えていないんですが。


——最初は背中と太ももだけで考えていたそうですが、最終的に前側にもタトゥーを入れた理由は?


游姫 甲羅彫りが終盤にさしかかったときに、「もうこれで終わるのか、寂しいな……」って思って。じゃあ次は前にいこう、とサラッと思いました。


——前側のデザインはどのように決めたんでしょうか。


游姫 人とデザインが被るのが嫌だったので、いろいろ探したんですけど、どれを入れても被るだろうと思って。それなら全然違う入れ方をしようと思って、かなり大きな昇り竜を前側全体に入れました。パンツラインだけは入れていないですが、胸から前側の太ももまでびっしりと竜を入れて。


相談されたら「おすすめはしないよ」


——タトゥーを彫ることに抵抗はありましたか。


游姫 抵抗はなかったですね。周りに入れている友達が多かったわけではないんですが、彫り師さんの知り合いは多かったので、特に悩むこともなかったです。


 ただ、「タトゥー入れたいんだけど……」って相談されたら、「おすすめはしないよ」と言います。


——それはなぜでしょうか。


游姫 プールやスーパー銭湯にも行けなくなるし、そういうの考えたら入れない方がいいよ、と思います。


——游姫さん自身が実生活で困ったことがあったんですか。


游姫 特にないですね。私の場合、腕など外から見える場所にタトゥーを入れていないんですよ。半袖を着てもタトゥーは見えないんです。だから実生活で、困ったことはなくて。


 プールはそもそも行かないですし、もし行くってなった時もラッシュガードを着れば入れる施設もあります。温泉も貸切にすれば全く問題ないので。一つあるとすれば、スーパー銭湯に行ってみたかったなってくらいですね。


——例えば病院で何か言われることは?


游姫 ないですね。夏は乾燥肌になるので、皮膚科によく行くんですけど、先生から「色で赤くなっているのかもね」と言われるくらいで。タトゥーが入っているからといって、診察を断られることは全くないです。


 ネットとかでタトゥーが入っているとMRI検査を受けられないと書かれていたりするんですが、私は受けられました。主治医に相談したり、承諾書を書く必要もあるようですが、全く受けられないわけではないみたいです。保険も会社によって対応は違うようですが、入れるところもあります。ただ、タトゥーを入れた部分の脱毛はできないです。


「誰かに見せたくて彫っているわけではない」


——友達やご家族の反応はいかがでしたか。


游姫 親は「何がしたいの?」「何になりたいの?」っていう感じでしたね。私よりもたくさんのタトゥーが入っている友達がいるんですけど、「なんでわざと見えない格好をしているの?」って言われます。露出をしてタトゥーを見せる子が多いと思うんですけど、私の場合は、誰かに見せたくて彫っているわけではないので。自分の着たい服を着ています。


 趣味が美術館巡りなんですが、先ほども言ったように、「絵を買った」という感覚なんです。誰かのタトゥーを見る時も、絵としての評価をしています。色が綺麗、線が美しいとか。


 だから露出をしたいわけでも誰かに見てもらいたいわけでもないんです。買った絵を自分で鑑賞したいだけなので。残念ながら背中の絵は普段見えないので、鏡で見ていますが(笑)。


——パートナーに何か言われたことはありますか。


游姫 絵がすごい綺麗だねとか、ずっと鑑賞していたいって言われましたね。好意的な方がほとんどです。


写真=橋本篤/文藝春秋


(「文春オンライン」編集部)

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