「あんぱん」嵩の母・登美子好演!松嶋菜々子“ヒール役”反響にCPも驚き「予想以上」「感情移入の証拠」

2025年5月12日(月)8時15分 スポーツニッポン

 ◇「あんぱん」制作統括・倉崎憲氏インタビュー

 女優の松嶋菜々子(51)がNHK連続テレビ小説「あんぱん」(月〜土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)で6年ぶり3回目の朝ドラ出演。劇中きってのヒール役を好演し、SNS上で話題を呼んでいる。国民的アニメ「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかし氏をモデルにした嵩(北村匠海)の母親役。放送スタートから約1カ月半。制作統括の倉崎憲チーフ・プロデューサー(CP)に反響について聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」シリーズなどのヒット作を放ち続ける中園ミホ氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算112作目。やなせ氏と妻・暢さんをモデルに、激動の時代を生き抜いた夫婦を描く。中園氏は2014年度前期「花子とアン」以来2回目の朝ドラ脚本。ヒロインの今田美桜は21年度前期「おかえりモネ」以来2回目の朝ドラ出演で初主演、相手役の俳優・北村匠海は朝ドラ初出演となる。

 初回(3月31日)は、配信サービス「NHKプラス」における視聴数が歴代連続テレビ小説・大河ドラマ含む同局の全ドラマのうち史上最多となる76・1万UB(ユニーク・ブラウザ、重複のないユーザー数)を記録。ドラマの舞台となった地元・高知地区の総合視聴率(リアルタイム視聴率とタイムシフト視聴率の合計、重複は差し引く)が41・6%(ビデオリサーチ調べ、世帯)を叩き出し、倉崎氏は「好スタートを切れたと思います」と手応えを示した。

 朝ドラに携わるのは3作目になるが「毎日の反響が本当に楽しみで、朝ドラは視聴者の皆さんと一緒に毎日作り上げていくものなんだなと、あらためて実感しています。皆さんの一言一言がキャスト・スタッフの背中を押し、奮い立たせてくださっています」と感謝した。

 第5回(4月4日)、のぶ(永瀬ゆずな)は結太郎(加瀬亮)の急逝が受け入れがたく、その姿を探しに思わず御免与駅へ走る。居合わせた嵩(木村優来)から手渡された絵は、海外出張に旅立つ別れ際、自分にソフト帽をかぶせてくれた姿。のぶは最愛の父を失った後、初めて泣いた。

 「『自分も親を亡くした後、その姿を探した経験があるので、のぶちゃんに凄く共感しました』といったご感想をも多く頂きました。この『あんぱん』というドラマは、『生きる喜びは悲しみがあるからこそ』という普遍的なテーマを描いて、喪失感に寄り添うことができたらと願って作っている部分もあるので、その思いが届いた感触はあります」

 一方、“うれしい誤算”もあった。視聴者のリアクションで「予想以上だったのは登美子」と率直に打ち明けた。

 松嶋が演じる登美子は、嵩と千尋(中沢元紀)の母。美しく利発で、文化的な教養も豊かだが、勝ち気な一面もある。兄弟が幼い頃に夫の清(二宮和也)を亡くし、奔放な振る舞いが愛息を翻弄してしまう。

 第10回(4月11日)、再婚先の家を一人で歩いて訪ねてきた嵩(木村優来)を「親戚の子」呼ばわりし「ここに来ちゃもういけないの。伯父さんのところに帰りなさい。おなかすいてるでしょ?このお金で何か食べて帰りなさい」と追い返した。

 その後8年間、音沙汰がなかったものの、離縁し、第14回(4月17日)のラストで突如、御免与町に戻って嵩と再会。柳井家に居座った。

 千尋を引き取った伯母・千代子(戸田菜穂)と当初は折り合いが悪く、嵩の進路を医師と勝手に決めた挙げ句、第20回(4月25日)で「(浪人の)1年なんて待てないわ。もういいわ、好きにしなさい。私の言いなりになるなって、千尋にも言われたでしょ。2人とも、このおなかを痛めて産んだ子なのにね。じゃあね、嵩」——。再び嵩と千尋を置いて、御免与町から去った。

 身勝手な言動が視聴者の怒りや反感などを買い“毒親”とまで称されるヒール役に。ただ、トリックスター的な役割で物語をかき乱しながら、圧倒的な存在感でドラマ序盤を牽引したのも確か。松嶋の気品あふれる演技により、登美子の憎み切れない絶妙なポジションが成立している。

 登美子の嫌われ具合について、倉崎氏は「逆に言うと、視聴者の皆さんがそれだけドラマに感情移入してくださっている証拠なのでは、と受け止めています。それだけ物語に入り込み、登美子に対して本気の怒りや、やるせなさを実感していただけているのではないか、と。こんなに反響があるとは思っていませんでした。その大きさにビックリしています」と捉えた。

 「松嶋さんともクランクイン前から話し合ってきましたが、登美子の根底には息子たちへの愛情がきちんとある。ただ、夫の清を亡くして、心にポッカリと穴が開いてしまったのも明らか。この時代において、再婚の時は嵩を置いていくしか生きる道がなかったのかもしれません。今後、登美子と嵩・千尋、あるいは登美子とのぶの関係がどうなるのか、真の和解があるのか、注目していただければと思います」

 松嶋&登美子の再登場に期待が高まる。

スポーツニッポン

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