細川護熙元首相が描いた雲龍図の障壁画52面、一族ゆかりの龍安寺に奉納…全92面がこれで完成

2025年5月20日(火)13時30分 読売新聞

完成した「雲龍図」への思いを語る細川氏(右、京都市右京区で)

 世界遺産・龍安寺(京都市右京区)にゆかりのある元首相の細川護熙氏(87)が、自ら描いた52面の障壁画を奉納した。これで、護熙氏の手による全92面の水墨画「雲龍図」が、同寺に完成した。(西田大智)

 室町時代の管領・細川勝元が創建した寺院。細川一族の護熙氏は、勝元550年遠忌(2022年)を記念して制作を思い立ったという。

 既に奉納した40面は、中国の九龍図などを参考に、龍の誕生から老いまで、さらには崇高な仙人を象徴しているようにみえるものまで、九つの姿を表現。今回追加奉納した52面は龍の背景となる作品で、雲や波、岩などを配した。40面の周囲の舞良戸まいらどなどを飾る。全92面を横に並べると全長110メートルを超す大作となる。

 11日に奉納式典があった。護熙氏は「昔から折に触れてお参りをしてきたが、ふすまが相当傷んでいたので、『何かお手伝いさせていただきますよ』と提案したのがきっかけだった」と振り返った。今回の52面に「龍をこれ以上増やせないので、その背景を描いたが、雲を描くのはなかなか難しかった。湧き上がるよう、龍との関係も考えて描いた」と制作の苦労を語った。

 龍安寺の松山侑弘住職は「92面を後生に伝えていきたい」と話していた。

 5月中は40面の一部を公開。52面は今後表装して、来年10月以降に一般公開を検討する。

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