NHK ETV特集「川口 クルド人」再放送もNHKオンデマンドで配信せず「NHKとしての編集判断」
2025年5月21日(水)15時34分 スポーツニッポン
NHKが21日、東京・渋谷の同局で定例メディア総局長会見を行い、再放送が延期されていたEテレのドキュメンタリー番組「ETV特集」の「フェイクとリアル〜川口クルド人真相〜」が今月1日未明(4月30日深夜)に再放送されるも、NHKオンデマンドで配信がされていない件について「NHKとしての編集判断」と説明した。
同番組は本放送、再放送とも配信が行われていない。これについて担当者はNHKオンデマンドではすべての番組が配信されているわけではないとしたうえで、今回の番組についても「NHKとしての編集判断で、本放送、再放送とも配信は致しておりません」とした。なお、NHKプラスでは配信を行っていた。
また、修正箇所など修正の詳細については「取材制作の詳しい過程についてはお答えを控えさせていただきたい」と明言せず。「再放送の内容については報道機関としての編集権に基づいて、自主的に判断した。取材を深めて再放送を実施した」とし、「番組でお伝えした事実関係については誤りはございませんので、そこは申し添えさせていただきます」と話した。
同番組は先月5日に放送され、同9日に再放送を予定していたが、放送の約4時間前に急きょ延期を発表。見逃し配信も停止されていた。先月26日、公式サイトで「5/1(木)の再放送は予定を変更して、『フェイクとリアル 川口クルド人真相』を再放送します。『田んぼ×未来あきらめないコメ農家たち』は、5/8(木)に再放送します」と発表した。
再放送では、番組内でヘイトスピーチとして批判され、抗議のあった団体が新たなシーンが追加されるなど追加点はあったが、クルド人問題をヘイトと捉えた論調などは変更はなかった。
先月16日に行われた定例会長会見では、放送延期の理由について担当者が「編成上の都合で再放送を延期し、それに合わせて、NHKプラスの配信も停止をしました」と説明。番組放送後、SNSでは偏向報道との批判などさまざまな反応があったが「さまざまなご意見が出ていることは承知をしております」とし、今後について「そういうことも含めまして、我々としてはより取材を深めた上で、改めてお伝えしたいと判断しております」と見解を示していた。