楳図かずおさん「お別れの会」 「グワシ!」でお別れ 大ファン、双子妊娠中しょこたん弔辞「サバラ!」
2025年5月29日(木)4時45分 スポーツニッポン
「漂流教室」「まことちゃん」などで知られ、昨年10月に死去した漫画家、楳図かずおさん(享年88)のお別れの会が28日、都内で行われ、漫画家や出版関係者ら約200人が出席した。楳図さんの大ファンで「漂流…」の主人公が芸名の由来である中川翔子(40)らが弔辞を読み、「まこと…」で登場する別れのあいさつ「サバラ!」と声をかけ感謝を伝えた。
祭壇はトレードマークの「赤白ボーダー」がデザインされ、胡蝶蘭(こちょうらん)やバラ、ガーベラなど約7000本の花で彩られた。遺影は自宅マンションで撮影された一枚で、満面の笑みで中指と小指を折り曲げる「グワシ!」の決めポーズを取っているもの。冒頭には出席者全員が「グワシ!」のポーズやかけ声を出すなど、明るく和やかな会となった。
中川は「怖がりな私が心引かれていたのは、その奥にある深い愛やイマジネーションでした」と魅力を語った。双子を妊娠中で、報道陣の取材には「子供時代に怖い、ワクワク、面白い、美しいことに触れることが一番大事。(子供に楳図作品を)いつか読ませたい」と母の顔を見せた。
亡くなる直前の昨年10月には、新作の連作絵画「JAVA 洞窟の女王」を制作中だと発表していた。小学館によると同作は未完で、今後の展開も未定。会の最中には、同9月に録音された楳図さんの最後の肉声が公開され、ろれつの回らない口調ながらも「まだ続きがあるかもしれないけど、それはそれでお楽しみください」と前向きな言葉を発していた。最後まで描くことに熱中した人生。その生きざまに触れ、多くの出席者の目に涙が浮かんでいた。(小田切 葉月)
◇主な出席者 荒俣宏、ちばてつや、なだぎ武、稲川淳二、江口寿史、山咲トオル、ASKA、久住昌之、荒木飛呂彦、中川翔子、里中満智子、伊藤潤二、高橋のぼる=敬称略、順不同=