【ネタバレあり】「キャシアン・アンドー」6話:反乱者の奇襲とその代償

2022年10月15日(土)18時0分 シネマカフェ

「キャシアン・アンドー」6話(C)2022 Lucasfilm Ltd.

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「キャシアン・アンドー」6話では、4話・5話と紡いできた惑星アルダーニでの強奪作戦がついに決行! アルダーニ特有の神秘的な天文現象の“目”も期待される中、“ミッション:インポッシブル”な作戦は無事に達成されたが、貴重な人命も失われることに…。

1〜2話で溜めて溜めてからの3話があったように、今回も4〜6話を通して起・承・転+結の盛り上がりを見せた本作。改めて、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のキャシアン(ディエゴ・ルナ)に至るまで、そのキャラクターの変遷の陰には多くの犠牲があったことを思わずにはいられなかった。


手に汗握る!『スター・ウォーズ』のスパイミッション

「大義に身を捧げる」つもりなど、まるでなかったキャシアンにも、ついに作戦決行の夜が訪れた。アルダーニ人が古来から崇拝する“目”と呼ばれる流星群の飛来に紛れ、要塞基地の厳重な金庫から帝国1宙域の四半期分の給与を奪うのだ。

入念に準備されていたとはいえ、これがなかなかのアナログ、かつ綱渡り状態で危なっかしいところが、実に『スター・ウォーズ』らしい。タラミン(ガーシュウィン・ユスターシュ・Jnr)の指揮で歩哨になりすまし、要塞基地へと侵入したキャシアンたちは、アルダーニ人への嫌悪しかない司令官と、彼の態度やここでの生活に辟易している妻子を人質にとって金庫を開けさせ、貨物室の兵士たちの人海戦術によって8000万クレジットもの大金を貨物船ロノへと運ばせる。

キャシアンがルーセン・レイエル(ステラン・スカルスガルド)から預かった貴重なブルー・カイバーが5万クレジット以上の値打ち、ルーセンからの報酬が20万クレジットというから、莫大な金額だ。

だが、通信妨害装置を取りつけたものの、彼らの通信を偶然傍受した伍長が数人の部下を引き連れて金庫へと駆けつけ、さらに非常事態を察知した近くのアルケンジ航空司令部からもタイファイターが飛び立とうとしていた。

少しずつ降り注ぐ流星群と、かつては1万5,000人ほどいた見物客がわずか60人程度に減ってしまったアルダーニの“祝祭”の盛り上がりとともに緊迫感が増していき、キャシアンやヴェル(フェイ・マーセイ)たちが兵士を追い立てる怒号もますます激しくなる。

流星群に紛れて飛び立てるタイムリミットが迫る中、キャシアンが貨物船を飛ばし、大ケガを負ったネミック(アレックス・ロウザー)の指示を信じたことで、空を覆う流星群の間を何とか切り抜けることができた。

しかし、元ストームトルーパーだったことが明かされたタラミン、帝国を裏切ったゴーン中尉(スーレ・リミ)が撃たれ、そして、キャシアンの内に秘めたわずかな善意というのか、自由や正義を求める心を見抜いていたネミックも結局、助からなかった。


反乱の代償が『ローグ・ワン』のキャシアンを形成する

奇襲作戦は成功し、帝国から大金を奪うことはできたものの、“行動する理由”の体現者、ネミックが命を落とすことになった(なんとなくフラグは立っていたが)。

また、スキーン(エボン・モス=バクラック)が前回語った帝国のせいで兄を失ったという身の上話は嘘で、実際はキャシアンと同じ傭兵だったという告白。瀕死のネミックの治療中に、8000万クレジットを2人で山分けして逃げようと提案した彼をキャシアンが撃ち殺すという衝撃的な結末…。

仕事は終えたから、もう関わりたくないと立ち去ろうとするキャシアンに、ヴェルはネミックが記していた“希望”が詰まった宣言書を託す。それが彼の遺志だからと。キャシアンはその宣言書を、ちゃんと受け取っている。

キャシアンにとっても、彼の物語の行方を見守る私たちにとっても、ネミックやスキーンたちはたった3話分の登場ながら忘れがたいキャラクターとなったはず。『ローグ・ワン』に至るまで、彼らのような命がいったいどれだけ犠牲になるのか。ネミックのように、信念に従った善良で純粋な若者の命もどれだけ奪われることになるのか。各エピソードで蓄積されていくその代償が、『ローグ・ワン』のキャシアンを形成することになるのだ。

一方、アルダーニで反乱者の奇襲があったらしいと聞いた、遠くコルサントにいるルーセンの安堵と喜びようといったら…。“名もなき”反乱者が大義のためにこうして身を捧げていることを、彼はどれだけリアルにとらえているだろうか。

「キャシアン・アンドー」は毎週水曜、ディズニープラスにて独占配信中。

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