「非核化は実現不可能な妄想」金与正氏、日米韓を非難する談話
2025年4月9日(水)19時0分 デイリーNKジャパン
北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長が8日、日米韓外相が北朝鮮の完全な非核化に向けた連携で一致したことを、非難する談話「米・日・韓の時代錯誤の『非核化』執念はわが国家の地位にいかなる影響も及ぼすことはできない」を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。
日米韓外相は3日、NATO(北大西洋条約機構)の外相会合に合わせてベルギーで会談し、北朝鮮の完全な非核化に向け、3カ国で関与を続けていくことで一致した。
金与正氏は、「われわれの『非核化』が実現不可能な妄想にすぎないということを決して知らないはずがないにもかかわらず、戦々恐々として「非核化」のスローガンを合唱しなければならない境遇にある米・日・韓の不安でいらだった心理がまたもや濾過なく露出した」と指摘した。
つづけて、「いまだに失敗した過去の夢の中でさ迷い、『完全な非核化』を口に乗せるのは、自分らの政治的判別水準がどれほど旧時代的で非常識であるのかを自ら世にさらけ出すこと同様である」と主張した。
さらに、「国家の最高法、基本法に永久に固着した朝鮮民主主義人民共和国の核保有国地位は、外部からの敵対的脅威と現在と未来の世界の安全保障力学構図の変遷を正確に反映した必然的選択の結果として、誰かが否定するからといって変わるものではない」と述べた。
そのうえで、「われわれの面前で核放棄を公然と唱えるのはもちろん、さまざまなベールをかぶせてすでに死文と化した『非核化』概念を復活させてみようと試みること自体も、とりもなおさず朝鮮民主主義人民共和国の主権を否定し、憲法放棄、体制放棄を強要する最も敵対的な行為になるということについて今回の機会に再び明白にする」と強調した。