冗談も好きで親しみやすい教皇、教会を現代に合うよう改革…教皇フランシスコ死去
2025年4月21日(月)19時43分 読売新聞
菊地功・枢機卿(2022年3月2日)
バチカン(ローマ教皇庁)は21日、世界のカトリック信徒約13億人を束ねるカトリック教会の最高指導者、ローマ教皇フランシスコ(本名=ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ)が同日午前、死去したと発表した。88歳だった。
「誰もが排除されない社会」の重要さ強調…カトリック東京大司教 菊地功・枢機卿
人の話をよく聞き、冗談も好きな、親しみやすい教皇だった。最近は入退院のニュースこそあったが、今後の予定も示され、退院して元気に活動されるのだと思っていた。亡くなったことについて、今は驚いている。
教皇の功績で大きいもののは、なんといっても教会改革だろう。1962〜65年に開かれたカトリック教会の司教会議「第2バチカン公会議」では、虐げられた人々との連帯などが打ち出されたが、その後も教会は伝統や決まり事にとらわれ、なかなか改革を進められないでいた。
教皇は教会の根本的な教えを守りつつ、命の大切さを説いた。移民や性的少数者(LGBTQ)の権利に配慮した「誰もが排除されない社会」の重要さを強調し、まるで中世ヨーロッパの王様と貴族のような関係だった教会を現代社会に合うように改革した。
教皇が残した影響を受け継ぐような人に、次の教皇になってもらいたい。(聞き手・国際部 村岡拓弥)