ローマ教皇フランシスコ死去…同性婚・人工妊娠中絶に比較的寛容な姿勢、「開かれた教会」目指す

2025年4月21日(月)21時47分 読売新聞

20日、バチカンのサンピエトロ広場に姿を見せる教皇フランシスコ=ロイター

 【ローマ=倉茂由美子】世界のカトリック信徒約14億人を束ねるカトリック教会の最高指導者、ローマ教皇フランシスコ(本名=ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ)が21日午前7時35分(日本時間午後2時35分)、バチカン市内の自宅で死去した。88歳だった。バチカン公式メディアが伝えた。初めて中南米から選ばれた教皇で、前教皇までの時代に不祥事が相次いだ教会の信頼回復に向け内部改革を進めた。

 後任の教皇は、近く開かれる教皇選出会議(コンクラーベ)で選ばれる。バチカンの発表によると、教皇の遺体は23日朝にもバチカンのサンピエトロ大聖堂に移される予定だ。葬儀は死去の4〜6日後に執り行われるとみられる。

 アルゼンチン・ブエノスアイレス出身。2013年3月、前教皇のベネディクト16世が、高齢を理由に生前退位を表明したことを受けて行われたコンクラーベで第266代教皇に選ばれた。約1300年ぶりの欧州以外出身の教皇となった。

 マフィアの資金洗浄疑惑が指摘されたバチカンの金融機関に調査のメスを入れ、聖職者による児童への性的虐待問題でも外部有識者を含めた委員会を作った。教会がタブーとする同性婚や人工妊娠中絶、離婚などの社会問題では、比較的寛容な姿勢を見せ、「開かれた教会」を目指した。

 在位12年間に約60か国・地域を訪問。米国とキューバの国交正常化交渉の開始に向けた動きを仲介したほか、イスラエルとパレスチナ自治区の指導者をバチカンに招き、中東和平問題にも関わった。ロシアによるウクライナ侵略でも仲介を模索した。2019年には教皇として38年ぶりに来日し、被爆地の広島、長崎で核兵器の廃絶を訴えた。

 教皇は今年2月に肺炎などでローマの病院に入院したが、3月下旬に退院。公務に徐々に復帰し、4月20日には復活祭(イースター)のミサに姿を見せていた。

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