遊牧民の集落、イスラエル人入植者の襲撃でまた一つ消滅…連日侵入し水源を奪い羊を盗む

2025年5月25日(日)5時0分 読売新聞

22日、ヨルダン川西岸地区の集落ムガイヤル・ディールで、入植者のテント(奥)が建設され、村を去るために物資を積み込む住民たち(手前左)=福島利之撮影

 【ムガイヤル・ディール(ヨルダン川西岸中部)=福島利之】イスラエルが占領を進めるヨルダン川西岸地区でパレスチナ人のベドウィン(遊牧民)集落が22日、イスラエル人入植者の襲撃でまた一つ消滅した。パレスチナ自治政府によると、ここ数年で消滅した集落は30以上に上り、323家族が家を追われた。

 パレスチナ自治政府のあるラマッラから約15キロ・メートル東の小高い丘にあるムガイヤル・ディールは、25家族124人が放牧をしながら暮らすのどかな集落だった。だが、住民たちは22日、家財道具をトラックに積み込み、集落を慌ただしく去った。その様子を入植者が遠巻きに監視していた。

 入植者は一昨年9月に集落の向かいの丘に、アウトポスト(前哨基地)と呼ばれる小屋を建てて住み着いた。以来、集落に連日侵入して水源を奪い、羊を盗み、家の窓やトイレを破壊してきた。今月18日には集落内にテントを建て、住民は集落を捨てる決断をした。

 入植者のテントから約50メートルの家に住むムハンマド・ムレハトさん(23)は、両親やきょうだい15人で、近くの村に羊約100匹や家財道具と共に避難した。「私たちの生活と土地を奪った入植者が憎い」と力なく語った。

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