ソフトバンク×科学大、5G基地局と衛星通信の干渉を抑制する新技術の実証実験に成功
2025年2月21日(金)12時31分 マイナビニュース
ソフトバンクと東京科学大学 工学院 藤井輝也研究室(以下、東京科学大学)は2月21日、5G基地局と衛星通信地球局の下り回線間の電波干渉を抑制する「システム間連携与干渉キャンセラー」の屋外実証実験に成功したと発表した。これにより、同一周波数帯の電波を異なるシステム間で共有し、電波資源の有効活用が期待される。
5G向けにソフトバンクに割り当てられている3.9GHz帯の電波は、地上に設置されている衛星通信の地球局の下り回線と同一周波数帯であるため、3.9GHz帯の基地局の設置場所によっては電波干渉を与えてしまうことが課題となっている。この与干渉を回避するために、5G基地局の送信電力の低減やアンテナの指向性制御、地球局から一定の距離(50km以上)を保つことが必要であり、地球局が周辺にあるエリアでは5G基地局の設置が難しくなっている。
この課題を解決するため、ソフトバンクと東京科学大学は、5G基地局の下り回線が与える干渉を地球局で大幅に抑圧する「システム間連携与干渉キャンセラー」の試作装置を開発し、2023年に室内の疑似環境(有線ケーブル接続)での実験に成功。今回、実用環境に近い屋外での実証実験でその有効性を確認した。
.