"アイデアを出す会議"には"外見の手がかりの無いアバター"が効果的
2025年3月14日(金)15時33分 マイナビニュース
ひとことに"会議"と言っても、報告や進捗管理の会議と企画会議のようなアイデアを出すような会議ではまったく別の目的がある。イノベーション創出があらゆるところで求められる昨今だが、TIS、東京都市大学、岡山理科大学、工学院大学の4者は、アバターを用いた興味深い検証を行った。
企業やNPO、地域コミュニティと多様な人々が集う組織のアイデアを出すような会議において、グループの中に自分より社会的地位や年齢が高い参加者がいたときに発言を控えるようなこと(バランスのとれた参加の抑制)が起こる場合がある。同様に自分より社会的地位や年齢が低い参加者の意見を受け入れない(受容的な姿勢の抑制)ケースも。年齢や階級にかぎらず、人種や国籍、性別のような社会的なカテゴリーを判断するには外見や非言語行動をもとにするため、アバターで低減することで参加者にどのような影響が生じるかを検証している。
○外見による社会的手がかりのないアバターが見せる会議の活性化
性別、年齢の異なる4人1組の16グループ計64人の参加者を対象に、1.顔写真をつけた外見による社会的手がかりのあるアバターと2.無機質なイメージの社会的手がかりの無いアバターの2つのどちらかを用いて、A.アイデア出しタスク(10分間固定/指定されたテーマに対して10分間アイデアを出すタスク)とB.意思決定タスク(10分間固定/アイデア出しタスクで出たアイデアについて、グループで良いと思う順位を1位から3位まで議論し決定するタスク)を実施。
発話単語数や発話回数によるバランスのとれた参加の検証、ポジティブな感情を表す発言と賛成のリアクションによる受容的な姿勢のいずれも、社会的手がかりが「ない」アバターが優位な結果を示しており、なかでも肯定な発言(「いいね」「素敵」など)やポジティブな感情を表すは2倍程度の差を見せている。
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