Apple Intelligenceを導入して大きく変わることは? - いまさら聞けないiPhoneのなぜ
2025年4月3日(木)11時15分 マイナビニュース
2025年4月1日に公開されたiOS 18.4で、Appleが推進するAI技術「Apple Intelligence」の日本語対応が実現されました。対応モデルはiPhone 15 Pro/Pro MaxおよびiPhone 16シリーズに限られるものの、iPhoneのあり方と活用方法を大きく変えうるインパクトがあります。
その中で最大級といっていい変化が「検索」です。
検索と聞いて思い出すのは、Googleなどの検索エンジンを利用した「WEB検索」ですが、Apple Intelligenceはこれを「Siriに頼む」として置き換えるほか、写真の特長を指定して探し出す「写真検索」、録音した会話をテキスト化して検索対象にする「文字起こし検索」を可能にします。
なかでも「Siriに頼む」は、知りたい情報を的確かつ簡潔に入手できる手段として有用です。WEB検索では、使用した語句を情報として含むWEBサイトや動画を探し出しますが、質問した答えの位置までは示してくれません。検索結果として表示された複数のWEBサイトを1つ1つ開き、内容を確認して答えを見つけ出す必要がありますが、Siriに頼むとChatGPTとの連携で「検索結果の要約」を示してくれます。
たとえば、「シロギスの天ぷらを上手く揚げるコツ」を知りたいとします。これをWEB検索で探すと、デフォルトの検索エンジンにGoogleを使用するiPhoneの場合、的確な情報を持つWEBサイトや関連する動画をリスト表示してはくれるものの、答えそのものは示してくれません。しかし、Siriに頼むと、新鮮なシロギスを使用、衣の準備、油の温度管理、揚げ方...などと項目ごとに明快な指針をもって答えてくれます。
システムがChatGPTによる処理が可能と判断した場合、画面上部に「その答えを調べるためにChatGPTを使用しますか?」といったダイアログが表示されますが、そのようにシステムレベルでChatGPTと連携可能になったことこそ、Apple Intelligence導入による最大の変化といえそうです。
海上忍 うなかみしのぶ IT/AVコラムニスト。UNIX系OSやスマートフォンに関する連載・著作多数。テクニカルな記事を手がける一方、エントリ層向けの柔らかいコラムも好み執筆する。マイナビニュースでは、「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」のほか、前世紀から続く「(新)OS Xハッキング!」などを連載中。執筆以外では、オーディオ特化型Raspberry Pi向けLinuxディストリビューションの開発に情熱を注いでいる。2012年よりAV機器アワード「VGP」審査員。 この著者の記事一覧はこちら