引き裂かれつつある小マゼラン雲! - 名大が衛星「ガイア」のデータから発見

2025年4月15日(火)17時45分 マイナビニュース


名古屋大学(名大)は4月11日、地球から約20万光年に位置する天の川銀河の衛星銀河「小マゼラン雲(小マゼラン銀河)」において、隣接する衛星銀河「大マゼラン雲(大マゼラン銀河)」の影響により、大質量星のうち左側の星は大マゼラン雲に近づく左方向へ、右側の星はその逆に遠ざかる右方向へと移動し、銀河を引き裂くような運動をしていることを発見したと発表した。
同成果は、名大大学院 理学研究科の中野覚矢大学院生、同・立原研悟准教授、同・玉城磨生大学院生(研究当時)らの研究チームによるもの。詳細は、米天体物理学専門誌「The Astrophysical Journal Supplement Series」に掲載された。
小マゼラン雲は天の川銀河の衛星銀河として大型であり、その近傍に位置するサイズのより大きな大マゼラン雲(天の川銀河から約16万光年)と共に、肉眼で観測可能である。また近距離に位置する両銀河は、構成する個々の星々およびその運動の詳細な観測も行える。
遠方銀河の観測から、銀河同士の衝突や合体といった相互作用は、爆発的な星形成現象「スターバースト」を引き起こすことが知られていた。また両マゼラン雲でも、重力による相互作用が確認されているため、小マゼラン雲は、相互作用が星形成や大質量星にもたらす影響を研究する上で、最適な天体とされてきた。
しかし、先行研究における小マゼラン雲の大質量星探索は、異なる手法で銀河の一部を観測した結果に限られていた。銀河全体での大質量星形成メカニズムの研究には、均一な基準による銀河全体の大質量星探索が不可欠だ。そこで研究チームは今回、欧州宇宙機関の位置天文衛星「ガイア」(2025年3月27日運用終了)の観測データを用いて、小マゼラン雲全体の大質量星を確認し、その運動を調査したという。
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