ElevationSpaceと豊田自動織機、大気圏再突入用の耐熱材料を共同開発へ

2025年4月16日(水)14時0分 マイナビニュース


ElevationSpaceと豊田自動織機は、宇宙空間の実証機が地球に帰還するときの大気圏再突入システムに使う耐熱材料の共同開発をはじめると4月16日に発表。豊田自動織機が持つ“炭素繊維の3次元織物技術”を活かし、軽くて損耗しにくく、低コストな耐熱材料の研究開発を行う。
ElevationSpaceは、宇宙から地球への輸送サービス開発に取り組むスタートアップ企業で、宇宙の微小重力環境で研究開発・製造された物資を地球に持ち帰って顧客に返す“国内初”のサービス提供に向け、宇宙環境利用プラットフォーム「ELS-R」の開発を進めている。
大気圏再突入・帰還時には突入機に厳しい熱負荷がかかるため、高い熱防護技術が求められる。各部位にかかる熱負荷は異なるが、現在実用化されている技術は、最大の熱負荷に合わせて適切な部材と厚さを選定し、突入機全体にそれを装着する方法が一般的。ElevationSpaceでは「過剰設計な熱防護システムによる重量増は、軽量化の大きな障害だ」と指摘する。
豊田自動織機が持つ、炭素繊維を使った3次元織物技術では、経糸(たて糸)と緯糸(よこ糸)、厚みの3方向に繊維を配置し、立体構造の織物を作れるという。設計の自由度が高く、特定の部位に必要な強度や性能を持たせられることから、既に航空宇宙や自動車といった、軽量化と高強度が求められる分野で使われている。
同社の3次元織物技術を活かし、大気圏再突入機の各部位にかかる熱負荷に応じて最適な密度で織ることで、軽量かつ低損耗な耐熱材料を開発。耐熱材料が軽くなることで、突入機を宇宙に運ぶロケットの打ち上げコスト全体を低減させられ、大気圏再突入時には低損耗化により、地球帰還時の落下地点の予測精度の向上にも期待できるとのこと。

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