ベゼル回転やゲームスマホなど、ミラノデザインウィークでみたnubiaの新製品
2025年4月23日(水)16時45分 マイナビニュース
ZTE傘下ブランドのnubiaはヨーロッパに4つのスマートフォン新製品を投入します。2025年4月にイタリア・ミラノで開催されたミラノデザインウィークではそれにちなんで関連するイベントを実施しました。
ミラノデザインウィークに出展する企業は様々な方法でイベントを開催します。nubiaのイベントはミラノのチャイナタウンでフリップを使った自撮り写真の撮影と、その印刷サービスを提供するというもの。街中を歩いていてもちょっと気が付かないくらい簡単なイベントでした。それでも気が付いた人々が立ち止まり、思い思いの写真を撮影して楽しんでいました。
また、新製品はADI Design Museumにミニブースを構え、4機種の展示を行いました。ヨーロッパで発売になるのは「nubia Flip 2」「nubia Focus 2 Ultra」「nubia Neo 3 GT」「nubia Music 2」の4機種。いずれも、ちょっとした特徴を持つ製品です。性能はミドルレンジですがその分価格は抑えられています。なお製品そのものの発表は2月にスペイン・バルセロナで開催されたMWCで行われました。
最も特徴的な製品が「nubia Focus 2 Ultra」です。カメラの使い勝手を高めた製品で、本体の側面にはシャッターボタンも追加されています。またカメラ周りのベゼルにはローレット処理も施されており、高級感も漂います。
チップセットはUNISOCのT760という、5G向けとしてはベーシックな性能のものを採用しています。バッテリーは5,000mAhと一般的。ディスプレイは6.8インチで2,800nitsと比較的明るく、外での撮影時にも画面をはっきり見ることが可能です。
カメラは5,000万画素広角で、実は特筆するほどの性能ではありません。ではnubia Focus 2 Ultraのカメラはどこがすごいのでしょうか。それはカメラ周りのベゼル部分。外枠のベゼルが指先を使って回転するのです。回転させることでズーム倍率を変えたり、ボケの度合いを調整できます。まるでデジタルカメラのレンズを操作しているような感覚で使えるわけです。
「nubia Focus 3 GT」は見た目と名前からなんとなく想像できるようにゲーム向けのスマートフォンです。背面の所々に配置された機種名などの文字や、八角形のラインで覆われたカメラなどデザインはメカニカル風デザインで、さらにLEDライトも内蔵されています。
ゲーム中や通知に合わせて光るライトは気分を盛り上げる存在です。本体性能はハイエンドではないもののチップセットはUNISOCのT9100を採用、バッテリーは6,000mAhと容量を増やし80Wの急速充電にも対応します。なおディスプレのサイズはnubia Focus 2 Ultraと同じです。
ゲームがプレイしやすいようにと、側面の左右にはタッチセンサー式のゲームボタンも搭載しています。この機能を搭載するモデルは他社からもいくつかありますが価格は高め。nubia Neo 3 GTは手ごろな価格でゲームも快適にできるモデルとして人気になりそうです。
本体デザインがユニークな「nubia Music 2」は名前の通り、音楽再生に特化したスマートフォンです。チップセットにUnisoc T7200を採用する4Gモデルで、ディスプレイは6.7インチのHD+。価格は2万円前後とかなり安くなる予定です。
背面でカメラより目立っているのが大型の円形スピーカー。3つのフルレンジスピーカーを搭載する2.1チャンネル構成で、90db台の大きなボリュームで再生が可能。スピーカー周囲にはLEDライトが内蔵され音楽に合わせて光ります。実際に音楽を再生してみると、かなり大きな音を奏でてくれました。屋外でのちょっとした集まりや小規模イベントでも十分使えそうです。そして何よりもこれを手にして毎日音楽を聴くことが楽しくなりそうです。
4機種目のnubia Flip 2はすでに日本で販売中の縦折り式のフリップ型モデルです。実は前モデルのnubia Flipも日本が世界最初の販売国でした。開けば6.7インチ、閉じてもアプリが動く3インチの外画面を搭載しています。
ヨーロッパの家電量販店に行くとサムスンやシャオミの低価格モデルの販売も多く、手軽な価格の製品は種類の多い激戦区となっています。nubiaのこれら4製品は、価格以外の面で勝負できる製品であり、nubiaの認知度を高める存在になるでしょう。カメラやゲームモデルは日本でもぜひ販売してほしいですね。
富永彩乃+山根康宏 富永彩乃(とみなが あやの) ITジャーナリスト/自撮り端末研究家。日本や海外各国のIT事情、特に海外の最新スマートフォンやビデオコンテンツサービスに精通。海外展示会の取材も積極的にこなし、現地からライブ配信によるレポートや動画撮影・編集も自身で行っている。スマートフォン複数台を常に使いこなし、TVやメディアへの出演も多数。 山根康宏(やまねやすひろ) 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。 この著者の記事一覧はこちら