航空機の技術とメカニズムの裏側 第483回 身近な航空関連技術(8)新幹線電車の開発と航空技術
2025年4月29日(火)9時5分 マイナビニュース
東海道新幹線ができたとき、0系電車は「翼のない飛行機」と呼ばれたそうだ。もっとも、それは外見だけの話ではなく、新幹線電車の開発にも、航空関連の技術がいろいろ関わっている。構体の構造については第480回で取り上げたが、その他の話も拾ってみよう。→連載「航空機の技術とメカニズムの裏側」のこれまでの回はこちらを参照。
構体の静強度試験と疲労試験
飛行機の機体構造では、静強度試験と疲労試験が行われる。静強度試験とは、設計の際に定めた荷重をかけてみて、それに耐えられるかどうか(破壊に至らないかどうか)、過度の変形が生じないかどうかを確認するもの。それに対して疲労試験とは、繰り返し荷重に対して耐えられるかどうかを確認するもの。
新幹線電車の構体でも、同じことをしている。御存じの通り、新幹線電車ではトンネル通過の度に車内外に圧力差が生じて構体が膨らんだり縮んだりしている。事実、肘掛と壁の間に手を入れてみると、間隔が微妙に広がったり縮んだりするのが分かることがある。
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