NTTドコモが住信SBIネット銀行を子会社化 ユーザーは「dアカウント」との連携を不安視 改善はあるのか?
2025年5月29日(木)19時10分 ITmedia Mobile
5月29日の記者説明会の登壇者。左からNTTドコモの前田義晃社長、NTT(日本電信電話)の島田明社長、SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長、住信SBIネット銀行の円山法昭社長
(※1)株式を強制的に買い取ることで、少数株主を強制的に“排除”すること
住信SBIネット銀行といえば、先進的なUI(ユーザーインタフェース)とUX(ユーザー体験)を提供していることでも知られている。しかし、SNS上ではドコモによる子会社化でそれが損なわれるのではないかとの懸念が出ている。
●具体的な懸念は「dアカウント」との連携
SNSで特に懸念されていたのが、NTTドコモの会員基盤でもある「dアカウント」との連携だ。
dアカウントはドコモの提供するサービスを利用する際に使われるアカウントサービスで、現在はキャリア(通信事業者)を問わず利用できるようになっている。しかし、ドコモの回線契約とひも付けて利用すると利便性がかえって低下する、あるいは回線とのひも付けを解除する際にトラブルが発生しやすいなど問題点も複数指摘されている。
●記者からの質問に前田社長はどう答えた?
5月29日に行われた記者説明会では、住信SBIネット銀行のUI/UXを引き合いに出しつつ、dアカウントをどうしたいのか、記者がドコモの前田義晃社長にただす場面も見られた。
記者 住信SBIネット銀行のアプリやサービスは非常に使いやすいと思っています。一方で、(ドコモの)dアカウントに関しては、うまくログインができないなど、使い勝手が悪いと感じます。銀行と(サービス面で)くっつく場合にセキュリティを向上させないといけないとは思うのですが、その中でも今後dアカウントの使い勝手を改善する予定はあるのでしょうか。
前田社長 もちろんあります。現在も(利用者の)皆さまからかなり多くの指摘をいただいておりますので、それを反映させるべく今も検討と開発を進めています。住信SBIネット銀行のサービスと我々のサービスが連携する際に、我々側がボトルネックにならないように、取り組んで参ります。その上で住信SBIネット銀行の持つUI/UXの素晴らしさを我々のサービスに反映させていきつつ、うまく連携できればと思っています。
このように、ドコモ自身はサービスとしての「dアカウント」に一定の課題意識を持っている。しかし、それが改善にうまく結び付いていないようである。住信SBIネット銀行の子会社化を契機に、良い方向に改善されることを期待したい。