【F1オーストラリアGP予選の要点】トップ10進出を狙う中団勢は毎戦顔ぶれが変わる大混戦。アルピーヌが一歩リードか
F1開幕3戦の予選を終えて確実に言えるのは、昨年までの3強(レッドブル、フェラーリ、メルセデス)に加えて、アストンマーティンが彼らと肩を並べる速さを見せているということだ。つまり普通にいけばこの4チームの8台が、予選トップ10の8番目までを占めることになる。今回はセルジオ・ペレス(レッドブル)がグラベルにオーバーランしたことによりQ1で敗退したために7台になったが、ポールから7番グリッドまでを予定通り4強チームが独占した。
一方で非常に見えにくいのが、中団グループの勢力図である。以下の表を見ておわかりのように、この3戦だけでもかなり激しく順位と顔ぶれが入れ替わっているのだ(便宜上12番手までを挙げた)。
第1戦バーレーンGP
9番手 エステバン・オコン(アルピーヌ)
10番手 ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)
11番手 ランド・ノリス(マクラーレン)
12番手 バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)
第2戦サウジアラビアGP
7番手 エステバン・オコン(アルピーヌ)
9番手 オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
10番手 ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
11番手 ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)
12番手 周冠宇(アルファロメオ)
第3戦オーストラリアGP
8番手 アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
9番手 ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
10番手 ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)
11番手 エステバン・オコン(アルピーヌ)
12番手 角田裕毅(アルファタウリ)
ちなみに開幕戦バーレーンのみ4強8台がきれいに8番グリッドまでを占め、第2戦サウジアラビアではフェルスタッペンがトラブルによりQ2で敗退したため、4強は7台だった。そのなかでオコンがルイス・ハミルトン(メルセデス)を抜いて7番手という健闘を見せた。
それも含めて、ふたりのドライバーの少なくともひとりが(サウジアラビアではふたり揃って)Q3に進出している。レースでもここまで連続入賞しているし、中団グループでは今のところトップと言っていいだろう。
ただし今回はウイリアムズのアルボンが中団勢最速タイムで8番手。7番手フェラーリのシャルル・ルクレールにコンマ2秒まで迫る速さを見せた。しかし過去2回の予選では、15、17番手とまったく振るわなかった。
一方でハースのヒュルケンベルグは10、11、10番手と中団勢での一発の速さは抜群だ。ところがレースでは失速して、15、12位でノーポイント。チームメイトのケビン・マグヌッセンとは対照的に、予選に振りすぎたセッティングにしているだけかもしれない。
またアルファロメオは過去2戦ではQ3まであと一歩の速さを見せていたが、今回は2台揃ってQ1落ちを喫した。逆にアルファタウリは第3戦にして初めてこの表に顔を出すことができた。
こんなふうに勢力図が見えないのは、中団勢の力関係が昨年以上に接近していることが一番の理由だろう(たとえば今回のQ1で15番手角田と16番手ピアストリは0.064秒差。Q2の10番手アルボンと11番手オコンは1000分の7秒差だった)。
そしてなぜここまで接近しているかといえば、ベンチュリーカー導入から2年目を迎え、チーム間の技術格差が縮まったことが大きい。さらに予算制限の影響も見逃せない。アルピーヌが頭ひとつ抜け出しているといえそうだが、一発の速さに限ればあとはかなりの混戦。その状態は、当分続きそうだ。
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