【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1日本GP】トップ5チームの一角を崩し、10位に食い込んだ角田裕毅
長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価し、ベスト5のドライバーを選出した。今回は日本GPの週末を振り返る。
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鈴鹿はマシンとドライバーの特性を際立たせるサーキットであるため、最も優れた組み合わせがベストのパフォーマンスを発揮するのは驚くことではない。
【2024年F1第4戦日本GP ベスト5ドライバー】
■評価 10/10:前戦リタイアの悔しさを晴らしたフェルスタッペン
マックス・フェルスタッペン(レッドブル):予選1番手/決勝1位
オーストラリアで不運なリタイアを喫したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、当然のことながら、再びトップに立つことを目指して日本に臨んだ。RB20の初期セットアップが好みに合わず、アンダーステアが強すぎ、少し難しいスタートを切ったが、いつもどおり、セットアップは予選前にうまく調整され、最終的には週末全体を支配することができた。予選でのセルジオ・ペレスとの差が通常よりも小さかったことから、フェルスタッペンの本来のペースはもっと速いだろうことが予想され、実際にそれが決勝で証明された。フェルスタッペンはスタートからフィニッシュまでリードし、ファステストラップの追加ポイントも獲得している。
■評価 9/10:ミスなくレースをコントロールした角田裕毅
カルロス・サインツ(フェラーリ):予選4番手/決勝3位
フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン):予選5番手/決勝6位
角田裕毅(RB):予選10番手/決勝10位
カルロス・サインツ(フェラーリ)は、今シーズン、キャリア最高のスタートを切ったといえるだろう。今回もチームメイトより効率的な戦いをし、レッドブルに挑んだ唯一のドライバーとなった。SF-24の1ラップペースは期待を下回ったため、予選でサインツはランド・ノリスの下の4番手にとどまった。しかし、決勝ではフェラーリの方がタイヤマネジメントで優れており、戦略も良かったことで、サインツは最後のスティントでノリスや1ストップのシャルル・ルクレールの前に出て、今季3回目の表彰台を獲得した。
フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は今回も、アストンマーティンのために孤軍奮闘、予選5番手、決勝6位という、期待を上回る結果を出した。週末を通して一切ミスを犯さず、決勝では最初から最後までオスカー・ピアストリを抑えきった。終盤には、ピアストリをDRS圏内に引きつけて、その後ろを走るジョージ・ラッセルが前に出ることを防いだ。より新しいタイヤを履いたラッセルは、まずピアストリ、その後アロンソを追い越すことを狙っていたが、アロンソはその動きを阻止し、6位の座を守り切った。
角田裕毅(RB)は、今回も週末全体を通して素晴らしい走りを見せ、予選でもレースでも“ベスト・オブ・ザ・レスト”のポジションをつかんだ。予選ではランス・ストロールがQ1で敗退した後、Q3で上位5チーム以外のドライバーがつかむことが可能な唯一の枠を角田がつかんだ。レースでは一度もミスをすることがなかった。ザウバーのピットストップに時間がかかったため、バルテリ・ボッタスの前に出ることができ、そこからは良いペースを発揮しつつ、よくコントロールされたレースをし、RBに貴重なポイントを持ち帰った。
■評価 8/10:予選でレッドブルに近づいたノリス
ランド・ノリス(マクラーレン):予選3番手/決勝5位
昨年の日本GPと同様に、ランド・ノリス(マクラーレン)は、今年も非常に良い成績を収めた。ノリスと鈴鹿はとても相性が良いようだ。予選ではノリスはレッドブルに最も近づいたドライバーだったものの、レースではリスクのあるタイヤ選択をしたことで、フェラーリのふたりに先行されてしまった。状況を考えると彼に可能な最大の順位は5位で、ノリスはそのポジションをしっかりつかみ、有能なチームメイトをも上回った。
【ベスト6以下のドライバーとその戦い】
シャルル・ルクレール(フェラーリ):予選8番手/決勝4位
=評価 8/10:予選でもっと良い結果を出していれば、ペレスに対抗できたかもしれない。トップグループでは実質1回ストップを実行した唯一のドライバーであり、その戦略を完璧に機能させた。
セルジオ・ペレス(レッドブル):予選2番手/決勝2位
=評価 8/10:予選ではフェルスタッペンとほぼ同タイムを出したが、決勝ではチームメイトに近づくことができなかった。
ジョージ・ラッセル(メルセデス):予選9番手/決勝7位
=評価 8/10:決勝ではチームメイトより速さを発揮、最後の最後まで決して諦めず、ピアストリをオーバーテイクすることに成功した。
バルテリ・ボッタス(キック・ザウバー):予選13番手/決勝14位
=評価 7/10:角田の前を走っていたが、キック・ザウバーのピットストップの問題が完全に解決されてはいないため、今回も作業に時間がかかり、ポイント争いから脱落した。もっと良い結果がふさわしい走りをしていた。
ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース):予選12番手/決勝11位
=評価 7/10:総じてチームメイトより速かったが、決勝リスタートでポジションを落とし、10位争いから脱落した。
オスカー・ピアストリ(マクラーレン):予選6番手/決勝8位
=評価 6/10:予選Q3に進出し、決勝で入賞したものの、チームメイトに匹敵するパフォーマンスではなく、最終ラップではポジションをひとつ落とした。
ルイス・ハミルトン(メルセデス):予選7番手/決勝9位
=評価 6/10:決勝リスタート時にルクレールと軽い接触が起きたことでマシンに小さなダメージを負い、ポジションを上げていくことができなかった。
ケビン・マグヌッセン(ハース):予選18番手/決勝13位
=評価 6/10:今回も予選で苦戦。しかし決勝では1ストップ戦略をうまく機能させた。
ダニエル・リカルド(RB):予選11番手/決勝リタイア
=評価 6/10:予選では良い仕事をした。しかし決勝スタート直後、アルボンがそばにいるのを見ておらず、それがアクシデントにつながった。
エステバン・オコン(アルピーヌ):予選15番手/決勝15位
=評価 5/10:今回もオコンはチームメイトより速かった。リスタートでピエール・ガスリーとの間に接触が起き、このインシデントがふたりのレースにダメージを与えた。
ランス・ストロール(アストンマーティン):予選16番手/決勝12位
=評価 5/10:予選では、恥ずかしいことにアロンソより0.77秒も遅かった。しかし決勝では比較的良い走りをした。
アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ):予選14番手/決勝リタイア
=評価 5/10:リカルドとのインシデントでアルボンは無実の被害者だった。彼にとって困難な週末は状況が好転することなく終わった。
ローガン・サージェント(ウイリアムズ):予選19番手/決勝17位
=評価 4/10:FP1で愚かなクラッシュを喫した。レースでは、コースオフもあったが、大きなマイナスにはならず、ある程度の埋め合わせはできたといえるかもしれない。
ピエール・ガスリー(アルピーヌ):予選17番手/決勝16位
=評価 4/10:予選で苦戦が続いている。オコンとの接触でダメージを負ったマシンと格闘、レースペースが悪化し、レース全体で苦労することになった。
周冠宇(キック・ザウバー):予選20番手/決勝リタイア
=評価 4/10:週末を通してボッタスにはかなわなかった。決勝では、最終的にパワートレインの問題でリタイアすることになった。
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